ドンキホーテが激安から、新たな市場を作ろうとしている。
この試みは日本全体であってしかるべきであり、デフレ脱却など大きな意味が込められているだろう。
プラチナドンキという試み
ドンキホーテと言えば、激安で知られるディスカウントショップであるが、
”高級志向”という実験の名目で白金台に『プラチナ ドン・キホーテ白金台店』を5月29日にオープンした。
安いというウリでここまで店舗拡大したドンキホーテははたして高級路線にもシフトすることができるのだろうか。
価格競争しないことは至上命題
ドンキホーテもしかり、小売店というのは基本的に安さこそが命である。
もちろん、あえて割高な価格で成功している小売店もあるのは事実だが、客は基本的にお店を選ぶときに安さを一つの基準に置くのはもちろんであろう。
そして、その中で日本などは特にであるが価格競争に巻き込まれている。
その最たる例が牛丼チェーン店だ。吉野家、すき屋、松屋の3店舗がシェアの多くを占める牛丼チェーン店市場は激しい価格競争を繰り広げる。1店舗が値段を下げると他も追随して値段を下げ、結果それぞれ利益を落とすという悪循環が生まれている。すき家でワンオペ(1人の店員で店舗の運営を回すこと。主に深夜に行われる)が問題になり、店舗を一時休止にしたのは記憶に新しい。
価格競争をした結果困るのは小売店であり、客がわずかに得をするだけに留まる。日本全体として価格に依存しないUSP(自社のウリ)を持ち、客数を保つというのは至上命題なのである。
安いから買う、からその他の理由をもたらす必要がある。
セレブ感を押し出したプラチナドンキ
プラチナドンキは、白金台駅すぐに位置し、セレブ感を押し出した店構えになっている。
ドンキホーテの強みは安さだけになく、店内に商品を目いっぱい天井の高さまで陳列したバラエティ感にある。
店内にいるだけでなんだか『ワクワク』するというショッピング自体の魅力に起因するものである。
だからこそ、プラチナドンキはそうしたワクワク感をセレブ感に置き換えることによって、激安のイメージから脱却したプラチナドンキとして人気を博する可能性がある。
ドンキホーテは価格競争からの脱却のヒントを示している
ドンキホーテと言えば、『ドンドンドン♪ドンキ~♪ドンキーホーテー♪』というような店内のBGMしかり、今までのただのものを陳列して安く売るだけのショップと違ったエンターテイメント感がある。
はたしてそこまでの魅力があるのかは個人差によるだろうが、店内の雰囲気しかり楽しませるための工夫をしているように思える。
ただ物を売るだけでなくそこに楽しみを見出すことが出来る。
そこに、価格競争からの脱却へのヒントが存在するのではないだろうか。