元ダメダメ大学生の逆転劇


活躍中の日本のリーダーに匿名だからこそ話せる本音のインタビューをするこの企画。
今回は、『元ダメダメ大学生の逆転劇』と題して小山さん(仮名)にお話を伺ってきました。

大学に入って落ちるところまで落ちた

――まず早速小山さんはどんな大学生生活を過ごしたのでしょうか

「よくいる大学生でした。サークルにバイトに合コン、パチンコ。中でもギャンブルにハマったときがやばかったですね。悪い友達とパチンコ、競馬にいってはドンチャン騒ぎしてお金が消えましたから。3年生になるときには借金が50万円を越えました。意外とそのくらいの額なら借りれちゃうんですよね。でもそのときは全く気にしてなくてそれがまたよくなかった。」

――そんな生活からどうやって起業に至ったんでしょうか?

「このままじゃダメだと思った僕はまっとうに生きようと思いました。でも、まっとうに生きるって何か分からなかった。ただ、バイトをしていて働くことは好きだったので、とにかくお金を稼ごうと。バイトだとなんだかんだ固定給だからやる気が出ないじゃないですか。じゃあ稼げるものならハマれるんじゃないかと思って。」

――起業は具体的にどのようなものだったんでしょうか?

「最初はほんとに何をやればいいのか分からなかったので、まず稼いでいる人は何をしているんだろうと考えました。とりあえずその人の真似をすればある程度何とかなるんじゃないかと思って。色んな人に『稼いでいる人知らない?』と聞いた結果、友達が知り合いにとんでもない学生起業家がいるから紹介してやるよって言ってくれて、それが転機でした。」

――それで会ってどうだったんでしょうか?

「もちろんすごかったです。すごすぎてあまり何を言っているのか分かりませんでした(笑)不動産をやってらっしゃるみたいで、法人相手の200億くらいの物件を扱っているとのことでした。同じ学生で実は最終的に同い年ということが発覚したんですが、そんなこと微塵も思いませんでした。『え、稼ぎたいの?不動産はけっこう儲かるよー』みたいなことを言われたことを記憶しています。」

プライドを捨てる決意を固めた

――かなりのカルチャーショックだったんですね

「自分の常識が変わった瞬間でしたね。もうなんとかここに稼ぐ糸口があるんじゃないかと思って。同い年相手に頭を下げて俺に稼ぎ方教えてくれと、仕事を俺にくれと、死ぬ気でなんでもやるからと頼み込みました。そうしたら法人相手の方は俺しかできないけど、個人相手の営業なら仕事をやるから頑張れと言ってくれました。」

――そこから起業が始まったんですね

「会社を立てるのはまだ先なんですがそこで初めて自分の力で稼ぐ経験をしました。ターニングポイントだったと思っています。まさか同じ学生相手に頭を下げるとは思わなかった。けどここでプライドを捨てなきゃ俺は一生パチンコやっているままだと思いました。」

――不動産の営業はどうだったんでしょうか?

「かなり大変ではありましたね。そもそも不動産って金額がバカ高いんですよ。僕がやったのはマンションの一部屋なんですがそれでも価格が3000万円とか。一本売れば僕がだいたい100万円近くもらえるっていう契約でした。そもそも100万円もらえることは簡単なわけがないんですよ。『俺も最初は大変だったけど、月1本売ればまあまあお金持ちじゃん?だから頑張れよ』という風に言われて。そのときは正直なんだこいつと思っていました。」

――売れるまではけっこうかかったんでしょうか?

「2ヶ月はまったく売れなかったです。少し惜しかったりはしたんですが。売り方も簡単にマニュアルをもらっただけであとは実践するのが一番早いと。教えられるんじゃなくて教わりにきなよと言われました。多少は親切なところもありましたが放任主義な現場でした。こっちから教えなきゃできない人間なのならとっととやめてくれと言われたのを覚えています。だからこそ売れた時は全てが報われた気がしましたね。」

その後人材の会社を設立

――その後は不動産営業を続けたんでしょうか?

「結局1年くらいは不動産営業をやっていました。かなり頑張りましたよ。お金を稼げるのが嬉しくてしょうがなくて。結局10本くらいは売ったと思います。独立するときも引き留められました。こんな売れるやつが抜けるのはもったいないと。でも、このときにお金だけじゃないなと感じていたので人材の会社を起業しました。なんだかんだでそういったつながりを紹介してくれましたし本当に感謝しています。」

――起業した会社はどんな会社なんでしょうか?

「僕みたいなやつがお金を稼げるようになったので同じ経験をしてほしいと思って、若者のキャリア支援をしています。ダメダメなやつでも一流のビジネスマンになれるように企業を紹介したり、自社で雇用したりもしています。僕自身が途中で仕事が楽しくなって大学辞めちゃったので、同じように大学を辞めて入社してくれる子もいて本当に責任を感じながら毎日をやっています。」

――自分自身の経験が基になっているんですね

「やっぱり仕事を通じて人から感謝される経験をしたいですからね。それが僕の場合は仕事を通じて人を成長させたいということです。あとは、本音を言うと人材ビジネスって絶対外れないんですよね。ニーズもいつの時代でもあるしキャッシュフローもものすごく安定する。そういった理由ももちろんあります。」

努力は大前提だけど努力次第で変われる

――様々な人材が小山さんの元を訪れると思いますがみな変われるんでしょうか?

「みんなはムリですね。これはきっぱり言います。人よりも努力は必要だよと。努力だけは大前提です。世の中で努力すればなんとかなるって言うじゃないですか、そうじゃなくてそもそも努力してない人ってスタートラインに立ってすらいないんですよ。僕の仕事はスタートラインに立たせてあげること。あとは思いっきり腕を振って走れば景色はどんどん変わる。」

――スタートしてスピードに乗ってしまえばということですね

「そうです。みんなスタートもしないから。意外とスタートしちゃえばあとは加速ですよ。まあ言い訳する人間は一生しますから別に頑張りたくなかったら頑張らなくていいと思いますけどね。」

――最後に若者に向けてアドバイスをお願いします。

「僕はパチンコばっかやってましたしあまり頭がよくありません。でも今こうなっているということは努力の力ってすごいと思います。努力ってギャンブルだと思うんですよ。頑張っても報われるかは分からない。そんなギャンブルに賭けられるってすごいかっこいいじゃないですか。だから僕はカッコイイギャンブルならありかなと思います。」

ダメダメ大学生から起業した驚きの逆転劇を持つ起業家小山さんでしたが、
努力をギャンブルと語るなどその人にしか分からない世界があるみたいです。
また次回をお楽しみに。