Googleが新会社『アルファベット』設立で高まる株価と期待


なんとGoogleがGooglでなくなるようである。
新会社『alphabet』の設立で市場の期待は高まる。

Googleが新会社設立を発表

[サンフランシスコ 10日 ロイター] – 米検索大手グーグルは10日、経営組織の大幅な再編を発表した。持ち株会社「アルファベット」を新たに設立し、検索事業などを新会社の傘下に収める。
ラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)が新会社のCEOとなり、グループ内で最大部門となるグーグルのCEOには上級副社長のサンダー・ピチャイ氏が就任する。
また、グーグル共同創業者のセルゲイ・ブリン氏がアルファベットの社長、グーグル会長のエリック・シュミット氏がアルファベットの会長となる。

出典 http://sp.m.reuters.co.jp/

Googleが持ち株会社である『アルファベット』を設立し、既存の事業を傘下に入れる模様。持ち株会社ということで、『アルファベット』の子会社にGoogleが入るような形になるようだ。
その目的は医療などの新規事業への展開を視野に入れた上でのことのようだ。

市場はGoogleの新会社に好感か

この新会社設立の発表を受けて、Googleの株価は5%以上上昇した。様々な期待の現れであろう。市場はおおむねこの新会社の設立に好感なようだ。

BGCファイナンシャルのアナリスト、コリン・ギリス氏は「こうしたベンジャー事業への投資額には多くの臆測があったが、これでそれも終わるだろう。買収を行う場合には新たな事業分野を加えられる構造ともなる。メカニズムが整った」と指摘した。

出典 http://www.bloomberg.co.jp/

コリン・ギリス氏の指摘通り、新会社『アルファベット』は今までGoogleが投資してきたテクノロジー、バイオ産業についての集大成ともいえ、Googleの獲得した技術を事業に転換するために従来の検索エンジン事業とそれ以外の事業を分類する狙いがあるのではないかと思われる。

Googleのさらなる野望のための新会社?

この新会社設立により、Google社の株式は全てアルファベット社に移管される。つまり、上場するのはアルファベット社になるわけで、そのアルファベット社がGoogle社を保有する形になる。サービス名は当然変わらないだろうが、Androidなど別のブランドが出てくることだろう。そのうちにGoogleという名前が薄れるほどに様々なサービスが出てくるのではないだろうか。

1つ分かりやすい点で言うと、GoogleやAndroidなどの明確に着実に収益が出ている部門とこれからの産業(医療や自動走行車など)が分かりやすく別の法人になるだろう。対市場相手には、今までの主力事業は問題なく利益が出ているうえでこれからの事業に赤字を出しながら投資をしているということを示していくのかもしれない。そういった狙いであるだろうか。

もはやGoogleは検索エンジンの会社ではない

Googleと言えば、スタンフォード大学生のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの創業した検索エンジンの会社であるというイメージは未だ多くの人々に焼き付いているだろう。最初はそうだったかもしれない。
しかし、それは創設11年目の2006年にYouTubeを買収したあたりから変わったのかもしれない。どんどんとITテクノロジーを持つ会社を買収し、その1つの功績がカナダのモバイルペイメント企業Zetawire社を買収しAndroidへ統合したことである。
Androidは今ではシェアのうちの50%近くを占め、AppleのiOSと拮抗したシェアを誇る。
(もちろん単一端末で製造コストの圧倒的に低いApple社とでは収益率は大きく違うが…)

検索エンジン自体の成長はこれからそうないだろう。というよりも検索エンジンすら古いと言われるレベルの技術は開発されるだろう。(もちろん、それをGoogleが保有するとは限らない)
Androidは検索エンジンに匹敵するレベルの事業であるし、それに続くものはこれからも出てくることだろう。Googleが人工知能の研究に積極的であることからも検索エンジンの次の技術は出てくるはずだ。

そして、今回の新会社の設立は『我々はGoogle(検索エンジンの会社)ではなく、Alphabet(言語すら統べる存在)である』というメッセージなのかもしれない。