未上場超大型企業の郵政3社が上場へ


日本郵政グループの3社の上場が決定的だ。
民営化から8年。上場によって今後はどうなるのか。

ついに郵政3社が上場へ

[東京 14日 ロイター] – 日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の郵政3社上場で、東京証券取引所は9月10日に上場承認を決定する方針だ。正式な上場は11月4日となり、2005年の小泉改革以来、曲折を続けた民営化が本格的に動きだす。日本郵政の連結純資産は15.3兆円で、時価総額としては7、8兆円程度と、NTT<9432.T>株以来の大型案件となる。

ついに日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社が上場する意向だ。リクルートが2014年に上場、時価総額は2兆円を超えたがもちろんそれ以上の規模となる。
上記引用文にもある通り、時価総額11兆円を誇るNTTと並ぶレベルの大型の上場となる。共に国有事業であった企業であるが、民営化、上場の並びとなる。

巨大非上場企業の数々

実は巨大企業にもかかわらず上場を果たしていない企業というのは少なくはない。日本では有名なのは、サントリーであろうか。創設100年以上(持ち株会社以降からはまだ10年程度)の企業にもかかわらず頑なに上場を拒んでいる。
世界では、イケア、レゴなどが非上場企業として知られる。

上場企業のメリットはなんといっても上場によって資金調達を得られること、上場企業であるという社会的信用を得られるという部分が存在する。特にベンチャー企業については社会的信用を得る目的で上場を果たす企業は多い。ベンチャーキャピタルなどから十分に資金調達をできるにもかかわらず上場をするのだからその効果は絶大なのだろう。

上場によるデメリットは、投資家に経営権の一部が渡ることとなり、経営に対する口出しが多くなる。その結果として中長期にわたる投資がしにくくなる。また、できるものならば株式の第三者割当増資という形での調達よりも借金という形での資金調達の方が当然ながら順調に利益を上げる企業にとってはメリットは大きい。そして、敵対的買収のリスクは上場企業であるほうが高まる。必ずしも上場が正しいとは言えないだろう。

郵政3社はNTTドコモのようになるのか

実は、NTTはさほど盤石とは言えない。その理由の大きなものがNTTドコモというケータイキャリアとしての経営は決して順風満帆とは言えないからである。
ソフトバンク、AUがどんどんとユーザーを伸ばすにつれてNTTのパイは減っていく。その中でユーザー数は1位から転落することもあった。
キャリアとしてでなく、通信事業者という枠で見ればNTTの保有する電波は現在も健在であり、通信の卸しとしてMVNO回線などが全盛となりうる現在も経営は機能しているがキャリアとして栄華を誇った時ほどではないだろう。

日本郵政でも、対抗馬にはクロネコヤマトなどの宅配事業者が存在する。クロネコメール便の法律規制など、日本郵政を守るための後ろ盾があるのではないかと思わせる一幕もあったが、これからその市場は改めて民営化からどんどんと新規参入者含め争いになることだろう。

郵政3社が今の地位を絶対守り続けるとは断言できない。