スタートトゥデイとLINEが共同でビーコン事業を展開


先日はみずほ銀行と提携を発表したLINEが新たな展開を見せた。
ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイとの提携で発表された『ビーコン』事業ははたしてアパレル界に革命を起こすのか。

スタートトゥディとLINEがビーコン事業で提携

「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイとLINE株式会社は、ファッション領域におけるビーコン事業の推進に向けて、業務提携したことを発表した。
スタートトゥデイが開発した「ボタン型ビーコン」とLINE公式アカウントなどを連携させた「ビーコン活用サービス」を2016年春頃から提供する予定だ。

出典 http://shopping-tribe.com/

『ZOZOTOWN』や『WEAR』を運営しファッション事業を手掛ける株式会社スタートトゥデイとLINE株式会社がファッションの領域において互いの強みを生かして提携する模様だ。『ビーコン』なる事業ははたしてどんなものであろうか。

商品の情報が『ビーコン』によりその場でLINEに配信される

「ビーコン活用サービス」では、アパレル店舗に来店したユーザーが商品に取り付けられたボタン型ビーコンを押すと、LINEアカウントを経由してその商品やお店の情報が直接ユーザーのスマートフォンに届く仕組みを提供。これにより、ユーザーが興味のある商品情報を手軽に受け取ることが可能となる。
両社は利用客に適切なタイミングで情報提供できるよう、サービスプランを検討し、詳細を改めて発表するとしている。

出典 http://shopping-tribe.com/

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出典 http://shopping-tribe.com/

今回の事業のカギはスタートトゥデイの開発したボタン型の『ビーコン』である。この世界で初めての装置は、商品にタグのように直接取り付けるが、ボタンを押すとその場でLINEのアカウントを経由して商品の情報が送られてくるようになっている。またビーコンの容量は12gと非常に軽量であるためタグと同じように全く違和感なく使用ができる。

IoTの見せ場である『ビーコン』

モノがインターネットに接続されることを指すIoT(Internet of Things)は多くの注目を集めている。我々が関わる社会、生活はすでにインターネットに囲まれているが、今までアナログで行ってきたことがIoTによってインターネット化する可能性を大いに秘めている。
例えば、今回の『ビーコン』はまさにIoTの最たる例であるだろう。今までのタグでは、商品の値段や生産地、素材などを確認することができたがタグに収まる情報量に限られる。それが、『ビーコン』を読み込むことによって一瞬でコーディネート例など画像データのような情報量の大きな情報を手にすることができる。

では、この『ビーコン』はQRコードと何が違うのだろうか。情報を読み取りたいのならばQRコードによってでも同様のことができることは想像に難くない。『ビーコン』を導入するからには当然それなりのメリットがあってしかるべきである。
まず『ビーコン』の持つストロングポイントは”ボタンを押すだけでいい”ということである。QRコードの場合は、QRコードリーダーを立ち上げそれをしっかりと正確に読み込む必要があるが消費者にとって買物中に何度もそれを行うのは大きなストレスになる。家でスマホ片手に買物をするのと違って店舗内ではもっとスピーディさが求められる。次に、”スピードが速い”ということが挙げられるだろう。QRコードの場合はブラウザでの表示が必要になるためいちいちページを読み込む必要が出てくる。LINEを使うことでメッセージを受け取るのと同様のスピードで情報を受け取ることができるのは非常に大きなメリットである。

『ビーコン』はアパレルの形を変えるのか

この小さな『ビーコン』はもしかしたらアパレル店舗の未来を左右することになるのかもしれない。さらなる点はこの『ビーコン』で情報を受け取ることによって、LINEやスタートトゥデイは消費者の情報を受け取ることになるということだ。LINEを通して消費者にセールの情報や新商品の情報を流すことができる。そういった導線のスタート地点に『ビーコン』があるのかもしれない。

好調の業績を維持するLINEの真骨頂はこのようなO2Oの領域にあるように思える。今回の場合のO2OはOnline to Offlineではなく、その逆のOffline to Onlineである。要するに、リアルの領域での行動がオフライン上にも反映されるということである。LINEという誰もが持つアプリケーションを通してオンラインの行動をオフライン上でシステム化することで顧客データをも手に入れる形である。今後この『ビーコン』は大きくアパレルの形を変えると期待したい。