料理動画メディアはすでに戦国時代に


今、料理動画メディアが熾烈な競争を繰り広げている。
分散型メディアの最先端である料理動画は今後さらなる競争になるのだろうか。

料理の分散型メディアが急増

エブリーの『DELISH KITCHEN』、delyの『Kurashiru Food』、2016年7月にスタートしたBuzzFeedの『Tasty Japan』。これらの共通点は料理を題材にした分散型メディアであること。来る来ると言われていた動画メディアは意外なことに料理のジャンルが成功を収めている。レシピ動画は今や月間数千回という再生回数をもたらすキャッシュカウと見られている。

インターネットの中で特にメディアジャンルは比較的早い段階でサービスのニーズが見えやすいこともあって、同じジャンルが乱立することも多い。特に近年流行りなのは、専門的な知識を必要とするメディアではなく、ライトな情報をユーザーに届けるようなキュレーションメディアや分散型メディアだ。その中でもクリッパーと呼ばれるモデルにあたる人々を起用するC CHANNELはコストも大きいと想像がされるが多くのメディアのコンテンツは比較的コストもかからずビジネスとして取り掛かりやすい。

料理動画メディアに寄せられる期待

2016年7月29日には、分散型の料理動画メディア『もぐー』を運営するスタートアウツがメルカリ代表取締役山田進太郎氏らから数億円の資金調達をしたことが分かっている。メディアで数億円単位となれば非常に大きな額であり、大きな期待が寄せられていることが分かる。

スタートアウツは2013年の設立であり、当初は動画バイラルメディア『Whats』を運営していたという。そこから料理動画メディアに舵を切ったことからもある程度このジャンルについて勝算を持っていたことが伺えるだろう。

料理動画メディアは今後競争か

こうした動画分散型メディアは、すでに多くの企業がタイアップコンテンツなどクライアントとの接触を行っているとされており、収益化についても着実に行われているようである。例えば、料理は主婦層からの確実なニーズが存在する。動画でレシピを確認して作ってみようという1つの購買体験が行われる可能性は非常に高いだろう。そういった意味でこの分散型メディアブームはしっかりと収益を生み出すと期待してもいいかもしれない。

ただ、参入障壁の低さは当然競争を生むことになりそうだ。結果として一部の成功者以外は全て採算がとれないという風になる可能性は十分にある。競争が激化したときにはたして何が起こるだろうか。その点については一抹の不安があるのは事実である。