22歳の現役大学生がメタップスにバイアウト


22歳の現役大学生が上場企業にバイアウトを果たした。
メタップスの買収案件はまさかの学生ベンチャー。はたしてどんな企業なのだろうか。

メタップスが学生ベンチャーを買収

メタップスが買収したのはまさかの学生ベンチャーだった。EC決済のペイデザインなど、多くの企業を買収しているメタップスではあるが、学生ベンチャーを買収するケースはこれが初めてである。

今回、メタップスが買収したのは『VIbias』という学生ベンチャー。その代表を務めるのは留田紫雲氏、彼は関西学院大学の4年生で22歳だという。VSbiasが手掛けているのは不動産×ITの領域である。不動産資産を効率よく活用するためのサービスを提供している。不動産×ITという領域は近年大きな需要が見込まれ、人工知能を用いたゲームに金融などの最適化を行うメタップスにはピッタリのジャンルである。

VSbiasの事業は

学生ベンチャーであるVSbiasが具体的に手掛ける事業はエアリノベというもので、物件のリノベーションから運用までをワンストップで行うサービスになっている。また、All in BnBというサービスも予定しており、これはAirbnbでの物件の運用をサポートするサービスになるようだ。

見る限り、まだ収益はそう発生していないようであり、特別な実績があるわけでもない。ただ、将来性を評価しての買収ということだろう。事実、Airbnbによる物件の運用は今後広がるだろうし、その市場でシェアをとることはメタップスであれば可能だろう。その礎としての買収、そして人材の獲得のための買収なのかもしれない。

      

就職活動から一転

VSbiasの代表留田氏は起業してから2ヶ月後までは就職活動を行っていたという。それまで事業自体が安定しておらず、リスクヘッジだというが、これは起業を目指す学生にとっては朗報ではないだろうか。誰しも最初はそういう状態から始まるものの、いきなりメタップスという上場企業に買収されることもある。

この会社の事業自体を買収したわけではないだろう。メタップスはこの人材を獲得し、メタップスグループの一員として迎え入れるために買収を行ったに違いない。アメリカではこうした人材獲得のための買収は多く存在する。会社が欲しいのではなく、人材を獲得することで事業の基盤を強化する形の買収は増えていくのではないだろうか。DeNAがMERYやiemoを買収したのはキュレーションメディアのノウハウを獲得するためだったはずだ。そしてその結果立ち上げたwelqは多くのトラフィックを得ている。今後間違いなく増えるだろう。