月6万円ベーシックインカム、フィンランドが試験導入へ


フィンランドがベーシックインカムに進む。
試験的に導入で、労働者の意欲の変化を調べるようだ。

フィンランドでベーシックインカムが試験的に導入

フィンランド政府は2016年8月25日、全国民に毎月一定額を支給するベーシックインカム制度を試験的に導入する方針を発表した。労働年齢の国民から無作為に選んだ2000人が対象となる。月額560ユーロ(約6万4000円)を給付する計画となっている。

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ベーシックインカムについては収支議論が繰り広げられてきた。その対象は、ベーシックインカムによって労働者の意欲がそがれなくならないかという点である。当然、ベーシックインカムによって誰も働かなくなったら制度は成立しない。事実、一定の無条件な定期収入を与えた被験者がどのような生活をするかは実験が行われている。

ベーシックインカムで社会福祉制度の簡素化を狙う

この実験においてフィンランドのシピラ首相は、ベーシックインカムの導入が雇用促進や社会福祉制度の簡素化につながるかどうかを検証したいとしている。
また、ベーシックインカムをめぐってスイスで6月、成人国民全てに毎月2500スイスフラン(約26万円)、未成年に同625スイスフラン(約6万5000円)を支給する制度の導入が国民投票にかけられたが、反対多数で否決されている。

多くの場合、国民はベーシックインカムにはまだ及び腰のようで、なかなか話は進まないようにも思える。

ベーシックインカムが機能するかのテスト

ベーシックインカムの最大の争点は、生産性や労働意欲が損なわれないかという部分であるが他の問題もある。年金受給者や生活保護者など受給額が減るとされる人々の納得が得られるか、そして真の意味で全ての人々の賛同を得られるかだろう。

今回の件について、対象となっているのは生活保護者である。そのため、現行の社会福祉制度の代替としてベーシックインカムが機能するかをテストしていると言えるだろう。