LINEの2016年12月期の決算が発表された。
広告収益の向上により大幅黒字転換に至ったが、日本の市場ではLINEのビジネスはすでに完成されていると言っていいのかもしれない。
LINEの2016年12月期は黒字転換
LINEは本日2017年1月25日、2016年12月期の連結決算を発表した。
売り上げ収益は前年同期比16.9%増の1407億円、営業利益は前年同期5億円の赤字から198億円の大幅黒字となった。
ゲームは売り上げを落とすものの、スタンプなどのコミュニケーションは堅調に推移、広告収益が大きく伸びたことが今回の大幅黒字転換に寄与していると見られる。
広告分野が伸びる
売上高の割合については異常の通りであり、広告が伸びていることが分かる。それにともなってコンテンツ、つまりゲームなどの部分の収益の割合が少なくなってきている。
地域別の割合を見てみるとやはり日本で占める売り上げがほとんどであり、東南アジアではユーザーを伸ばしているものの今は収益にはおおよそつながっていないことが分かる。今後この部分が期待されるところであろう。
パフォーマンス型広告が伸びる
急伸している広告の中では、パフォーマンス型広告が増えている。
これは、『LINE AD Platform』によるタイムラインなどを広告枠としたターゲティング広告であり、webのクリック、アプリのダウンロード、動画の再生などを目的として配信が可能になる。膨大なMAUとユーザーの長い滞在時間を有するLINEは広告媒体としては極めて優れている。
今後、日本以外の国についてもこの広告が中心になっていくと予想される。特に、ゲームについては海外でソーシャルゲームが日本ほどうまくいっていないこともあって期待はそこまでできないだろう。
LINEは広告ビジネスへ
LINE自体の方向性はおおよそ見えてきているように思える。今後も広告による収益が伸びてくるだろう。ゲームについてはツムツムなどに次ぐヒットタイトルが出ない限りこのまま下火になっていくと思われる。スタンプなどについてもある程度天井は見えたといったところだろうか。
WeChatなどでは決済のツールとして使われているがLINE Payはあまり普及していない。Snapchatではマーケティングツールとして非常に多様な使い方がなされているが、タイムラインがあまり活発でない(Snapchatのストーリーのように投稿がない)LINEはその部分は弱い。
今後、今の流れでLINEがビジネスを続けていくことは間違いない。メッセンジャーとしての地位も間違いないだろう。LINEはサービスを作っていくフェーズを終え、ビジネスとして収益を回収するフェーズに入ったことは間違いない。