理想の経営とは競争しないこと


経営における重要項目は様々ある。
その中で最重要項目とも言えるのが”競争しないこと”。はたしてその心は…

値下げに伴う罠

『最初は値段を下げてでも契約をとらなくては…』
起業直後の会社ではよく聞く言葉。実績もまだない状態なのだから、最初は金額を下げることでお客さんに選んでもらうしかないから値下げをしようと。

それでも売れない…
ならばもっと値下げをするしかない。こうして企業は疲弊していく。これが起業において起こる最悪のパターン。決して事業自体がうまくいっていなかったりサービスの質が悪い、ニーズがないなどではないのに、価格設定を間違うことによってどんどんと経営が悪化していくというパターンが存在する。

中小企業は価格競争に追い込まれる

実は、企業としての規模が小さければ小さいほど価格競争に巻き込まれる。大企業ではそのネームバリューや質が知られていること、そして大口の取引先を獲得していることなどが伴って価格競争がないわけではないものの、それに引きずられることはそうない。企業としての信頼がその価値を保証している状態があるからだ。

しかし、起業したての企業はそうはいかない。まず誰もその企業の存在を知らない、だからこそ営業をして契約をとりにいかなくてはならない。どんな素晴らしいサービスを行っていても何もしなくては誰にも知られることもなく必要とされることがないからだ。

そんなわけで起業してすぐに基本的には営業をしたり契約をとるための努力を行うわけだが、そうはいっても基本的に信頼はされない。顧客はそのサービスの質を瞬時に評価することはできないから実績の少ない企業については慎重にならざるを得ない。その結果企業は値下げによってなんとか仕事をとろうとする形になる。

価格競争こそ最大の罠

起業するならば価格競争の生まれる業種というのは最も避けなければいけないジャンルだ。では、まず価格競争とはなぜ生まれるのだろうか。(この場合、価格競争は間接的なものではなく直接的に同様のサービスについて起こる者を指す)。
需要と供給によって基本的には価格が決まるわけではあるが、その供給量が多ければ多いほど基本的には価格が下がる。つまり供給量の多いジャンル、さらに言うと参入障壁が低く真似しやすいジャンルについては価格競争が起こる。

では、このとき真似のできない商品を売る場合価格競争は起こらない。オンリーワンの商品について価格競争は存在しないのだ。そうした価格競争を避けた”真似のできない”サービスを展開することが最も軌道に乗せやすいと言える。

トントンでは起業はうまくいかない

さらに重要な点は、価格競争をしている企業は成長の可能性が非常に低いということ。価格競争が起こるから利益はゼロかあっても少し、その状態ではどうやっても事業自体を拡大させる分のお金も時間も足りなくなる。よく言われるサラリーマンが時間がなくなおかつ給料にも余裕がないからその状態から抜け出せないラットレースと全く同じ状態である。

価格を高く維持することで、利益分を再投資ることによってサービスの質をさらに上げることが可能だ。そうしたやりかたによって企業はどんどんと成長させることができる。『トントンでもいいから経営を安定させたい』ではどこまでいってもジリ貧になるとれるうちに利益を多くとることが最重要項目であることは間違いない。