なぜ楽天などのECサイトはごちゃごちゃしているのか


ECサイトと言ってもamazonと楽天は全く異なる。
極限までシンプルなamazonと情報量が非常に多い楽天。ECサイトがごちゃごちゃしているのにもしっかりとした理由があった。

楽天はなぜ日本産No.1ECサイトになったのか

日本国内さんで最も大きなECサイトと言えば楽天で異論はないだろう(厳密には楽天はショッピングモール事業を営んでおり、楽天がECサイトを運営しているかというと微妙ではある)。世界ではamazonが最も大きなECサイトではあるものの日本ではいまだに楽天は根強い品数、流通数を誇っている。

楽天はなぜ日本で最も大きなECサイトなのだろうか。見る限り、楽天のデザインはそう見やすくなく、各地では酷い言われようではある。これは日本自体の文化が大きく関わっているだろう。

このように、楽天は配色が多く、一般的にデザインの世界ではここまで色をカラフルにするというのはご法度である。当然見づらくなりユーザーが探したいものを探すことができなくなってしまう。ユーザーの満足度や使い勝手を落とすことは本来は売り上げを落とすことにつながるはずである。

楽天のサイトデザインはチラシ文化に起因している

楽天のデザインは”チラシ”という日本の文化を踏襲している。
こう言えば、あーチラシかとピンとくる人も多いのではないだろうか。

tirashi
出典 http://kk-success.co.jp/
tirashi-usa
出典 http://www.excite.co.jp/

日本のチラシとアメリカのチラシを見比べてみると分かるだろう。日本のチラシの方が圧倒的に情報量が多い。日本にはもともとそういった文化が根付いているのである。それは書いてある情報を非常に真面目に全て読む日本人の性格が関係している。

日本人のECサイトにも求める人間味

また、このチラシを読み解くキーワードに”人間味”というものが挙げられる。特に日本人はその商品の情報、その中でも誰が作ったとかどれだけ丹精込めて作ったかということを知りたがる。楽天を見てみるとそれが顕著に現れるだろう。商品の作り手の顔が見えるような商品も多いし、その商品の魅力を語るために言葉を尽くす。下の画像を見て見れば分かるだろう。これは楽天の現在の人気1位の商品のページの一部だ。

rakuten-shohin

とんでもないほどに長いページの構成になっている。もしかするとほとんどの人はこれをスクロールして読み飛ばすかこのページを閉じるかもしれない。特にうるさいアメリカの顧客になれば最後まで読む人間などほぼいないだろう。それでも日本人は、特に中高年はこういった商品の奥にあるストーリー性や人間味を求める。

日本人が人間味を求める背景とは

ではなぜ日本人が人間味を求めるのか、さらにはECサイトなどで情報を欲しがるのかということになるが、それは日本という国がほぼ日本人のみによって構成されている国であるということが挙げられる。それによって日本人は価値観がほとんど一致している。もちろん、人によって当然異なるのだがアメリカなどの多種多様な人間が集まっている国と比べると極めて価値観の普遍化が起こっていると言えるだろう。

だからこそ、『みんなこんな感じのものなら欲しがるかな』といった想像が的中しやすい。みんな同じ考え方や常識を抱えているからだ。これがアメリカの圏内でやろうとすると多種多様な人間がいるがゆえに人によってはそれが当てはまらない。だからamazonは非常にシンプルな情報で勝負をするし、早く届くというような誰にでもあてはまる魅力を強化する。

そういった背景から日本人は日本人の求める人間味というものを共通して持っている。これをアメリカ人に響くような人間味にしようとするとそれぞれ異なった者が出てきて収拾がつかないし、全くもって効き目がないことも多いだろう。

欧米ではシンプルなページしか受け入れられない

ではそんな欧米のECサイトがどうなっているのかというと、真逆で極限までシンプルであることが求められる。楽天のようなページがあろうものなら誰も読まないし、どこまでも情報量を削ろうとする。そのあり方は楽天のそれとは全くもって異なる。下の画像はamazonの商品ページであるが、全く楽天のそれとは違う。
特に違うのが商品の値段など、重要な情報を楽天は最後にもってくるのに対し、amazonでは最初に必ずくる。商品の細かいスペックや説明がその後にくるという風に順番は真逆になっている。

amazon-page

楽天のような形式で先に商品の魅力をアピールした上で値段などの障壁となる部分については後回しにするのはまるでテレビショッピングのようなやり方だ。楽天のメインターゲットとなるユーザーはそんなテレビショッピングを利用する中高年なのかもしれない。
対して、欧米ではそんなやり方をすれば『先に結論を言え』とイライラさせることになるだろう。先に値段と商品の内容を言った上で付け足しをするというのが欧米諸国での当たり前のやり方なのである。

日本式ECは世界に広まるのか

とはいえ、ここまでのイメージでは楽天に代表される日本式のECサイトは売り込むために情報を押しつけているようなイメージを持たれるが何も悪いことばかりではない。例えば、日本のみならず海外でも買い物をした人なら物足りなさを覚えるだろう。日本ほど丁寧に接客を行う国も、商品を丁寧に作る国も存在しない。

amazonのUIは非常に使い勝手がいいが、その反面商品の情報量は楽天などに比べると少ない。必要最低限の情報はあるものの商品の魅力を感じるような情報は決してない。商品の画像も少ないことが多い。
そこまで商品に対して情報を増やして魅力に見せる工夫を欧米の小売店は行おうとはしないが、それもまた淘汰されることだろう。日本式のような情報量の多いECサイトが増えるかもしれない。

おそらくは商品の値段などを先に言うといった形式は変わることはないはずだ。どちらかと言えば日本のECサイトがそれに合わせるようになるだろう。ただ、商品の情報は今後増えていって、”買おうか迷っている”くらいのユーザーの背中を押す存在にその情報がなることは想像に難くない。日本の良い部分が世界で広まることは期待される。