女子高生社長の騒動に感じる違和感


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テレビに多く出演するなど有名な女子高生社長が炎上騒動を起こしました。
発端ははてな社のサービスを丸パクリしたサービスをリリースしたことにありますが、この騒動に対して私は違和感を感じます。

女子高生社長が炎上騒動

女子高生社長として有名である椎木里佳氏の経営する株式会社AMFが他社のアプリをコピペアプリをリリースしたとして騒動になりました。

その内容としては、株式会社はてなの提供するアプリ『Presso』のCSSと株式会社AMFのリリースしたアプリ『ミルピク』のCSSが酷似しているというものです。CSSとは、デザインを規定する言語(プログラミング言語ではありません)で、当然似通う部分が出てくるのは当たり前なのですが、その内容が数千行にあたることはざらで、その内容の全てが一致してくることはまず偶然では済まされません。そして、HTMLソースの中に『campaign::presso』というクラスが存在します。このクラスとは、セグメント(サイトやアプリ内の区画)につけられる名前のことで、ある程度似通った名前がつけられることもままありますが(”content”などについてはどのソースにも表れるクラス名)、pressoというのは見かけることはほとんどありません。そして、pressoという単語ははてなのアプリである『Presso』のことです。

こうしたありえないこと自体から、株式会社AMFが他社のアプリのコードをパクったこと、そしてコピペしたことは明らかなわけです。当然、コードそのものも著作権の領域ですから、違法行為です。株式会社はてなが株式会社AMFを告訴したとしてもそれは不自然なことではないでしょう。

presso

milpik

css-hikaku
両者のCSSファイルは違いを見つける方が難しいほどである。

騒動に感じること

私がこの騒動を受けて真っ先に感じたことは、株式会社AMFという企業は最低を下回る存在すべきでない企業であるということと、この騒動への違和感でした。
株式会社AMFの代表は椎木里佳氏でまだ高校生です。私自身、高校生であるとしか思いませんし、会社経営者として評価すべきではないと考えています。にも関わらず、世の中の声としては他の経営者や企業と同じように同じレベルで叩いているものがほとんどであるということでした。

私が言いたいのは、高校生だから甘く見ろとかそういうことではありません。高校生でかつ、父親の協力のもとに事業を行っている彼女を経営者と呼ぶのは、あまりに他の経営者に対して失礼ではないかということです。子どもが事業ごっこをしていたとしてもそれに対して気にも留めないでしょう。それと同じ感覚であるのが正しい物の見方ではないでしょうか。

彼女が、テレビに出て知名度を持ったからといってそれをあまりに安易に評価している人物が多いのではないかということを感じます。高校生でも一人前に仕事をしている人間については経営者として評価をしていいでしょう。そして、他の経営者と同じ土俵で同じ責任を負うべきです。しかし、彼女はただのちょっと頭のいい女子高生で、ちょっと知的な遊びをしているだけです。

女子高生社長の実態

女子高生社長については私はそこまで詳しいわけではありませんが、この騒動を受けて少し調べてみると、行った事業の中に『東京ガールズコレクション』の顧問という項目があります。それを見たときは、女子高生という立場を生かして事業を行っているのかと感心したのですが、どうやら『東京ガールズコレクション』の商標権を父親である椎木隆太氏が代表を務める株式会社DLEが購入していたようで、要するにそうした仕事についても父親に渡されたものであることが分かりました。

年商は1000万円とのことですが、この数字を一般の方がどう受け止めるかは分かりませんが、企業の営業利益率は通常10%もいけばかなり優秀な方です。仮にこの場合、固定費など全てかかっていないとしても(少なくともアプリはただでできませんからお金がかかっているでしょうが)、あり得ませんが全てが利益で年間で営業利益が1000万円というのは零細企業もいいところです。たしかに、それを高校生でこなしたのならそれは素晴らしいことかもしれませんが、大学1年生の時に会社を作った私でもこんな利益は会社作りたてですぐ残せるわけです。少なくとも経営者のレベルといしては低すぎる数字です。『女子高生という枠で見れば』すごいということで、一人前の経営者として扱ったらあまりにも稚拙な数字です。しかも仕事の出所は父親なのですから。

女子高生の中で彼女よりも優れた人材がいるかどうかは知りませんが、女子高生という冠をとったらなんのことない事業としての実態に乏しい姿なわけです。経営者としての土俵に上るには能力として、実績としてあまりにも足りていないでしょう。

女子高生社長は経営者ではなくタレント

彼女を見る限り、私は経営者ではなくタレントになるべきだと考えます。実際のところ、活動の多くは社長業ではなくテレビタレントでしょう。目立つのも好きでしょうからやりたいことは経営者なのではなく、タレント業なのかなと思うのが自然です。
ああいったタイプの方は、承認欲求と自己顕示欲で動いています。平たく言えばちやほやされたくてあれこれとしているわけです。彼女の発言の中で『経営者としてどれだけの格(具体的には最年少上場)を目指しているか』という趣旨はあったものの、事業に対する思い入れや、最年少上場という目標の達成をもってしてどのようなことを及ぼしたいのかという部分についての言及は一切ありませんでした。つまり、そういった肩書きを欲しているものの、最も望んでいるのはそこについてくる、そしてその発言についてくる周りの承認なのでしょう。

最近、女性医師でタレントの脇坂英里子氏が逮捕されましたが、脇坂氏と彼女に似た部分を感じます。強い承認欲求と目立ちたがり屋な部分について非常に酷似しています。世の中に対して何かをもたらしたいという経営者的な発想よりも自分がこうしたい私を見てというようなタレント的な思考回路なのでしょう。

許されざるコピペ

彼女自身はあと数年もすれば父親の偉大さを知るでしょう。経営者の器ではありませんから、普通に会社を経営するのもなかなか難しいことかもしれません。そして何より中学生レベルのコピペという違法行為、社会にアプリというものを出すうえでやってはならない卑劣な行為に手を染めたという事実は一生拭えません。お友達のTehuくんの起こした政治活動もまた小学生を偽った卑劣な行為でしたがそれと並ぶくらいの倫理的にも法律的にもアウトな行為です。

そうした行為を働く人間とは多くの人は仕事をしたくはないでしょうし、少なからずとも安易にそうしたズルをしようとする心の弱い人間が経営者として一流になれるとはとうてい思えません。私の見通しでは、彼女の目的は経営者として一流になることではなく目立つことですから挫折したときにはすぐに『飽きたから経営者やめます』と楽しく語っていると思います。彼女を語る上では、自己愛性パーソナリティ障害という言葉が当てはまるでしょう。

何はともあれ、ああした行為を犯す人間が経営者を名乗らないで頂きたいものです。