華々しく上場を遂げたグノシーであるが、本日最安値を更新した。
わずか5ヶ月で半分となった株価は何を物語るのだろうか。
グノシー株が2140円の最高値から5ヶ月で890円を記録
10月19日の株式市場で、ニュースアプリ運営のGunosy(東証マザーズ)が一時890円を付けて年初来安値を更新。終値でも前週末比47円安(-4.98%)の896円に沈んだ。
4月28日に新規上場。急速にダウンロード数を伸ばしたニュースアプリ企業として注目が集まり、5月7日には2140円の年初来高値を付けたが、5カ月で半額以下になった計算だ。19日終値ベースの時価総額は196億円と、200億円を割った。
同社が9月30日に発表した2015年6~8月期の決算(単体)は、売上高が8億8000万円、営業利益が4700万円と前年同期比で増収増益を果たしたものの、前四半期からは減収減益にとどまった。16年5月期通期では営業利益で前期比6倍の1億9000万円を見込んでいるが、市場はあまり評価していないようだ。
出典 http://www.itmedia.co.jp/
今年4月に上場したグノシーの株価が896円の終値を記録。同社の時価総額は196億円と200億円を割る結果となった。2015年4月28日の上場初日には公募価格の1520円(その際の時価総額は332億円ほど)を1620円で終わった。その後、最高値は2140円を記録したが現在はその頃の半額を下回る896円となっている。
グノシーの業績を市場は評価せず
2015年6~8月期の決算は前年同期比で増収増益を記録したものの、市場はあまり評価していないようだ。グノシーの株価はここのところ落ちる一方で、最高値を記録した2015年5月以降、基本的には右肩下がりとなっている。
その原因の一つとしては、もともとの株価がグノシーの大きな成長を織り込んだものであったことが挙げられるだろう。それだけにグノシーのユーザーが伸び悩んだ部分(特にMAUが大きく下がった)について増収・増益にも関わらずそれ以上にマイナス要因として市場は評価しているのではないだろうか。
懸念点が全て悪い方向へいったグノシー
弊誌でもグノシーの上場の際に、こんな記事を記した。その中でわずか創業2年半で華々しく上場したグノシーの懸念点として大きく2点を挙げた。
それは、『MAUの伸び悩み』と『競合の存在』である。
グノシーはCM戦略によりユーザー数を大きく伸ばし、ニュースアプリの中では一つ抜けた存在となった。しかしながら、CMで増やしたユーザーについてはなかなか定着することは難しく、アクティブユーザーに不安を残した。その懸念は大きく的中することとなった。
また、競合についてはスマートニュースが堅実な戦略で好調であり、またLINE NEWSも好調ではあるがそれ自体に大きくユーザーを奪われたという感覚値はない。それ以上に、Yahooのニュースアプリ、Twitterのニュース機能、Googleのニュースサービスなどの競争の熾烈さがすでにグノシーの衰退を予期しているのではないだろうか。
とはいえ、創業わずか2年半以内に上場を遂げたグノシーにかかる期待は大きい。
なんとかしてUSPを創り上げ、活路を見出して欲しいものだ。