BuzzFeed元COOが目指すメディアの新しい形


近年webメディアは非常に多くまた、注目されているのも大きな事実だ。
ただ、1人の男はメディアベンチャーに対して苦言を呈している。はたして今後のメディアの形とはどのようなものなのか。

BuzzFeed元COOがメディアに苦言

BuzzFeedのCOOと英タブロイド紙『デイリーメール(Daily Mail)』の北米CEO、つまりインターネットメディアも紙媒体もどちらでも重要な役割を担った経験のある人物がいる。ジョン・スタインバーグ氏は、酸いも甘いも知り尽くしたメディア界の有力者であることは間違いないだろう。彼はまた、BuzzFeedを成功に導いたことで、マネタイズの達人と呼ばれることもある。

そんな彼が辛辣に『いまどき広告頼みのメディアベンチャーは頭がおかしい』と語っている。メディアという分野において広告という概念は外せないようにも思えるがいったいその理由はどこにあるのだろうか。

新興メディアチェダーの戦略

チェダー(Cheddar)という企業で、ビジネスニュースの動画サービスを提供するスタインバーグ氏はライセンス料の徴収という新しい形に挑もうとしている。チェダーの配信は無料で視聴することはできない。
スタインバーグ氏は、米DIGIDAYのポッドキャスト企画に登場してこう語った。『YouTubeで無料公開するつもりはない。インプレッション単価(CPM)は4ドル(約400円)が妥当だと考えている。現在の状況下で独立して新たに起業し、こういうコンテンツを買ってくれる、同じ100の広告主の同じマインドシェアや大きなスポンサー契約を巡って競争することは、困難を極める。5年前の自分と競い合うことはしたくない』と。

広告を配信しない代わりに、視聴者は有料でコンテンツを見ることになる。従来のメディアの在り方は無料で視聴者を集め、そこに広告を流すというものであるが、チェダーは有料モデルになっている。Netflixなど最近のメディアサービスでは定量課金モデルは多く現れているように感じる。

今後のメディアに訪れるチャンス

今やインターネットとテレビは目に見える形で競合している。Netflix、Amazonがストリーミングサービスへ力を入れており、どこも独占コンテンツを欲している。これはメディアにとってチャンスであるとスタインバーグ氏は語る。
コンテンツを配信するプラットフォームを作っているその企業の競争は激しくとも、そこへ向けたコンテンツを作っている企業は少なく、そこにチャンスがあるという。

ライブ動画は1つのトレンドであり、ライブ性のあるコンテンツにはチャンスがあると語る。メディアが広告頼みというのは一種のジレンマを生んでいるのかもしれない。視聴者に質の高いコンテンツを配信することが使命なのに、収益の為に広告に力を入れざるを得なくなる。視聴者がコンテンツを評価せず、お金を払ってまで見たいと思わないことも一つの問題だ。

広告頼みからの脱却。
これはメディアの未来を左右するだろう。