大塚家具、久美子氏のMBOがありえないワケ


2015年3月27日の株主総会にて、
創業者勝久氏の娘である社長久美子氏の勝利に終わった一連の騒動でしたが、
第2ラウンドの到来を予感させる展開となっているようです。

大塚家具騒動とは

大塚家具では、創業者の大塚勝久氏とその娘久美子氏で、
幾度となく代表取締役の座を争っています。
半年ほどの周期で代表が変わるなど熾烈な争いを繰り広げているのが現状。

そして、2015年には、父勝久氏が記者会見を開いたことにより、
騒動は一気に全国区へと広がりを見せました。

マネジメントバイアウトという手段

MBO(マネジメントバイアウト)とは、
経営陣がその株式を取得することにより、オーナー経営者としての地位を確立することである。

株式の3分の2以上を握った大株主は、
強制的に小株主からの株式の買い上げを行うことが出来ます。

つまり、父勝久氏側の株式を強制的に取り上げることができるということ。当然ながら、株式の割合で経営に対する決定権が決まりますから、株式を持っていなければ何もできません。
これをすれば娘久美子氏の地位は確たるものとなります。

MBOの可能性はゼロ

現状、MBOの可能性はゼロと言って間違いないでしょう。
父勝久氏側が3分の1以上を保有してしまえばこの小株主の追い出しを行うことはできない。
一度でも3分の2以上を娘久美子氏側の陣営が取得する必要があります。これを行うには第三者割り当て増資を大幅に行うなど資金調達をするなど大きな動きをする必要もあります。
久美子氏側の陣営と言われている米投資ファンドを引き受け先にするなどの方法はなくはないでしょうが、米ファンド側の利益を考えると現実的ではありません。

現状、MBOが行われることはなく、
また父勝久氏と娘久美子氏では争いが繰り広げられることだろう。
同じように勝久氏が現従業員を従えてパフォーマンスを行うことは可能である。創業者である勝久氏は古参の従業員に対する求心力を持っており、そのことから影響力は株主としてのもの以上にある。

http://toyokeizai.net/articles/-/66294

出典 http://toyokeizai.net/articles/-/66294