ミクシィ最新決算が示すITベンチャーのあるべき姿


オワコンと言われたミクシィではあったが、
その業績はV字回復している。それははたしてなぜなのだろうか。

ミクシィ2015年3月期決算

ミクシィ<2121>は、5月12日、2015年3月期の連結決算を発表し、売上高1129億円(前の期比9.2倍)、営業利益526億円(同109.7倍)、経常利益527億円(同200.4倍)、最終利益329億円(前の期2億円の赤字)だった。

出典 http://gamebiz.jp/

また、アプリなどのエンターテイメント事業が売上高1002億円、セグメント利益531億円。ミクシィなどのメディアプラットホーム事業が売上高106億円、セグメント利益21億円。

圧倒的モンスト効果により大幅な利益増

見ても分かるように、ミクシィの増益を支えているのはモンスターストライクというゲームアプリである。SNSのmixiによる利益はほぼなく、売り上げの9割近くをモンスターストライクから挙げている。

それだけソーシャルゲームが爆発力を持っており、当たることによる利益はとてつもないものがある。今の時代でもっともROI(投資対利益)が大きいのはソーシャルゲームであり、それこそがキャッシュカウなのであろう。

ソーシャルゲームは3年に1回当てればいい

ソーシャルゲームは当たり外れがあるとは言うが、当たればこれほどの利益を得ることができる。さしづめ3年に1度ヒットを飛ばせばそれだけで経営はうまく回る。(もちろん3年後に同じとは限らないが…)
なんとかして3年以内に次のヒットを飛ばせるような形で、模索するというような戦略をとるのが効果的であろう。

ソーシャルゲームにおいて重要なのは、”開発”と”運営”である。
開発とは文字通りゲームを開発すること。構想段階含め、ゲーム自体をリリースする部分だ。
そして、運営とはソーシャルゲームにはおなじみのイベントなどで利益が上がるように最適な形でゲームを運営する。

要は、ヒットを飛ばすためにゲームを開発することと利益を多くとれるように最適に運営することこそが必要でこの2つができていれば間違いはない。
モンスターストライクはおそらく今日本でパズドラに次ぐヒットである。mixiを開発したミクシィだからであろうかヒットするためのアイディア力を持っていたのだろうか。

ヒットを飛ばすまでキャッシュが持ちさえすればいい

ミクシィから分かるのは、ソーシャルゲームという一発逆転のビジネスがある以上、IT企業はヒットを飛ばすため間での間経営を安定させる資金さえあればいい。ミクシィはSNSによって得た利益があったことからそれだけ経営基盤を保つことができた。これは非常に大きいだろう。GREEの例とも同じで一度ヒットさせているとそのままなんとか利益を保ったまま経営を続けることができる。人材やノウハウなどのリソースはあるから、そのままの形で開発に力を注ぐことができる。

事業において最も大きなことはどんな状況であれ生き抜くということだ。お金が回れば潰れることはまずない。その間にヒットを飛ばせる可能性のあるIT企業はそうそう潰れることはないだろう。ミクシィしかりGREEしかり同じである。

とはいえ、最初のヒットを打つのが最も難しいのは事実である。どんな形であれ一度大きな利益を得られるように、業種や将来性には特に気にせず事業を行うしかない。