3月から本格化する17年卒の学生の就職活動。
そんな中、17年卒の学生のインターンシップへの参加が前年より3割増というデータが出た。
17年卒のインターンが3割増
3月1日から本格的にスタートする2017年卒業の学生による就職活動。その中でインターンシップ(就業体験)を導入する企業が増えている。企業側からの採用にかけられる時間が短くなったことから学生を見極めたい狙いもあってか、2017年卒の学生によるインターンシップへの参加は前年より3割増えている。
近年では、就職活動の短期化からか採用活動には当たらないとされているインターンシップを通して学生の選考を行うケースも多く、企業側のより実務に近い形で学生と接したいというニーズにもマッチしており、インターンの重要性がより増しているようだ。
インターンによる就職活動の実質長期化
インターンシップで企業は学生をより実務に近い形で見ることができ、学生はより実務に近い経験を行いながら企業ないしは業種を見極めることができるようになる。
ところが、インターンシップはこのようなメリットばかりではない。懸念されているのはインターンシップなどによる就職活動の長期化だ。
もともと、就職活動の後ろ倒しは、経団連が学生の勉学に割く時間を確保するために始めた施策である。そのため、就職活動を短期化させることが狙いであった。ところが、経団連に加盟している企業はごく一部である上に外資系企業については全く該当しない。3月を前に採用活動を始める外資系やメガベンチャーなどの一流企業を尻目に大手企業はインターンシップなどにより学生と接触することで優秀な学生をとられないようにしなければいけない。そのため、インターンシップは就職活動の長期化を招いている。
インターンシップにより大手企業は採用するであろう学生に目星をつけている。それは裏返せば学生にとってみればインターンの時期に企業から高い評価を受けない限り、不利な状況での就職活動となってしまう。特に高学歴と言われるMARCHレベル以上の学生からすれば3月から就職活動を行うのはごくわずかだろう。
今後も進むインターンシップ
とはいえ、今後もインターンシップは続くだろう。ベンチャー企業の中では長期的な半年以上のインターンシップ(厳密には雇用形態としてはアルバイトが近い)を経て採用を行うケースが非常に増えている。実務を経験している学生をそのまま雇用するのは非常にリスクが少なく、新卒社員の3割が3年以内に消えるとされているような一般の採用からすると、実際に働いた経験がありその上で志望する学生を採用することは理に適っている。
大手企業がこのような長期インターンをすることは難しいかもしれないが、大手外資企業、特に金融やコンサルティングでは半年間近くかけたインターンでの採用活動を行っており、同様のことは日系大手企業でもできる可能性がある。インターンのみならずインターンによる採用は今後も増えそうだ。