スカンディナヴィアがスタートアップ天国になった理由


今スカンディナヴィアから多くのスタートアップが生まれている。
はたしてなぜこの地がスタートアップの地として有名になったのか。

スタートアップの生まれる地、スカンディナヴィア

スタートアップが最も多いと言われるのはシリコンバレーだ。そして近年になって第二のシリコンバレーとも言われるイスラエルで多くのスタートアップが生まれている。しかし、今話題の中心にあるのはスカンディナヴィアである。スカンディナヴィアとは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドらの北欧の地域を指す名称ではあるがなぜ今スカンディナヴィアからスタートアップが生まれているのか。

スカンディナヴィアの特徴は、高い資金調達力を持ち、安定的に利益をあげるスタートアップが多いことにある。この地域で次々と新しいビジネスが成功を収める理由は、その土壌を何年も前から準備していたことにあるという。

スカンディナヴィアのスタートアップ数は

北欧5ヶ国のICT分野におけるスタートアップ企業の調査がある。この対象になったのは年間売上高100万ユーロに達したスタートアップ企業を対象に行われた調査であり、その規模は430企業である。なお、この規模のスタートアップ企業はフランスとドイツで413社、イタリア、スペイン、ポルトガルで218社となっている。スカンディナヴィア諸国でいかに成功を収めたスタートアップ企業が多いかが分かる。ヨーロッパのイノベーションの中心にあるのはもはやイギリスでもフランスでもドイツでもなくスカンディナヴィアの北欧諸国なのかもしれない。

この年間売上高100万ユーロのスタートアップ企業は国民10万人あたり1.6社である。この数字はイギリスの2.5倍、欧州大陸諸国の6倍、南部の国々に至っては9倍である。大きく他を引き離すほどであることが分かる。スウェーデンには149社、フィンランドには126社、デンマークには96社となっている。この3ヶ国が多くのスタートアップを輩出し成功に導いている。

ヨーロッパに注目が集まる

今まで、ヨーロッパ諸国がスタートアップにおいて注目されることは少なかった。しかしながら、多くの人々の知るように北欧諸国は非常に豊かな国々であり、”ゆりかごから墓場まで”という言葉が知られるほど社会保障が充実している。ベーシックインカムの導入が噂されるのもこれらの国々であることが多い。

もしかすると、こうした安定した経済状況がスタートアップを生み出す余裕を持っているのかもしれない。今後はスカンディナヴィア諸国に注目である。