雑誌の世界観を再現した分散型メディアLeTRONCとは


新たな分散型メディアに注目だ。
LeTRONCは、雑誌の世界観を再現した分散型メディアである。はたしてその中身は。

動画メディアは成長期に

動画メディアはこれから最盛期を迎えるだろう。
動画を中心としたメディアは次々と普及すると思われていたが(スタートアップのトレンドとして動画というワードは3年ほど前から常に存在した)、今現在動画メディアとして有名なのはC CHANNELやdelyのKURASHILなどそう数は多くない。現状、動画メディアはコンテンツを作るのにかかる時間も多く、ユーザー側としても動画を見る文化が定着してないこともあって手の出しづらい分野でもある。

とはいえ、最近になって動画メディアは増えてきている。サッカーなどスポーツの動画をVRで閲覧できるサカチャンなど動画の特性を生かしたものなど、テキストコンテンツではできないものも増えている。
そして、さらに『LeTRONC(ルトロン)』という動画メディアが面白い。スマホ向け動画広告を手掛けるオープンエイトが2016年5月26日にスタートしたこのメディアは大人の女性向けに旅をテーマに配信する動画マガジンになっている。

ルトロンは分散型メディア

ルトロンはオリジナルドメインのwebサイトのみならずFacebook、Twitter、Instagramといったソーシャルメディアへ投稿を行う分散型メディアの運用形式をとっている。コンテンツに関しては月に200本のコンテンツを配信するとしている。
スマートフォンに対応した1分前後の動画についてはFacebookを中心に盛り上がりを見せている。アメリカではTastyなど料理レシピは動画との相性も良く、月間で億単位の再生数を稼ぐメディアも存在する。

ルトロンはそれらと異なるテレビのような画角のコンテンツを配信している。Tastyなどが定点カメラを用いてレシピなどを提供するのに対してコンテンツにかかるコストも大きいがその分コンテンツとしての魅力は大きい。

雑誌のような世界観がウリ

このルトロンが目指すのは雑誌のような世界観であるという。ブランドの強いメディアを作るためにこのようにコンテンツにコストをかけても他の動画メディアとは一線を画した充実した動画を提供していくとしている。
リリースまでに半年間かけて動画の構成やフォーマットを揃えたのだという。これでまさに動く雑誌ができたと言えるだろう。

ビジネスモデルとしては少し疑問が残る。これだけのコンテンツを月間200本上げるというのはなかなかのコストがかかる。10倍のコストをかけたからといって再生数が10倍になるわけではない。コストをかけすぎなのではという不安は残るだろう。
ルトロンの肝は、ネイティブ広告である。要するに、クライアントの商品やサービスに関する動画を制作し、他のコンテンツと同じような内容、時間でコンテンツとしても十分に魅力のあるものを制作する。ブランド広告としてもそれだけクオリティの高いコンテンツであればその効果は大きいだろう。その点においてルトロンの運営を行うオープンエイトがアドテクのスタートアップであることも強いだろう。

ルトロンのクオリティの高い動画メディアははたして動画メディアの新たな道を示すものになるだろうか。