アフリカビジネス、3つの事実


アフリカという大きな市場。
今後大きなキーになってくるアフリカビジネスの3つの事実とは。

アフリカの大きな市場は国ごとに見るとそうでもない

アフリカ大陸全体での人口は12億人である。この数字は日本の10倍にもあたり、非常に大きな市場であることは間違いないだろう。それに加え、出生率も高いため、今後も人口が増えていくことは間違いない。今はまだ発展途上でありマーケットとしては小さいが今後の発展は間違いなく、大きな期待が寄せられる。

ただ、アフリカとして見たらそうかもしれないが、アフリカで最も人口の多いナイジェリアは1億7000万人ほどでそれ以下1億人を超える国はない。アフリカ諸国の1ヶ国あたりの人口は1600万人程度で、それぞれはあまり大きくないことが分かる。日本のマーケットが1億2000万人であることを考えると各国はそれに満たない。
アフリカという地域で考える限りではマーケットは大きいと考えることはできるが、ではアフリカとして一まとめで商売ができるだろうか。法律、物流インフラ、関税、国によるマーケットの違いを考慮したらそれぞれで異なるビジネスがあると見る方が自然だろう。アフリカとしてくくるのはナンセンスである。

アフリカにはすでに多くの企業がいる

アフリカこそ最後の希望であり、今後大きなマーケットを築く唯一の場所であると見る動きは多い。今後市場の拡大するITなどを除いて日本では多くの市場はある程度成熟している。我々が目にするのは自動運転がどうとかFinTechがどうとかVRがどうとかになるが、多くの業界は建設だとかエネルギーだとか通信インフラだとか鉄道だとか、今から何か逆転が起きるとか驚異的に市場が伸びるとかそういうことは考えにくいジャンルである。

そうした業界が新たな顧客を得る場がアフリカであるとされている。アフリカでは、未だそうした市場が形成されておらず、これからマーケットのリーダーが決まっていくのだろう。それ自体は間違っていない、しかし、アフリカはまだ手付かずの市場かというとそんなことはない。電気がまだ通っていない地域への電気の供給、ソーラーランタンを売る企業はすでに多くの企業が入り乱れている。競争はすでに始まっている。市場は小さいものの、アフリカでのビジネスは始まっている。

日本製品はすでにアフリカに浸透している

一般的なイメージでは、日本企業がアフリカでビジネスを行っているとはそう思われていない。アフリカは遠いし、日本の高性能な製品がアフリカで普及しているイメージはなかなか想像ができないだろう。それよりも中国の低価格な商品が流れている方が自然な感じがする。

しかし、日本の製品はすでに多くがアフリカで使用されている。製麺機にミシン、織機、ジッパーなどが人気で特に工場では日本製品が多くみられるのだという。工具において日本製品のクオリティはやはり高く、メイドインジャパンのブランドは未だ強い。

このように、一般的にイメージされるアフリカ市場と実態は異なる。今後、アフリカはどう変貌と遂げるのだろうか、そして日本企業は何ができるのだろうか。