ロゼッタが約14億円でConyac運営のエニドアを買収


大きなイグジット案件が飛びこんだ。
ロゼッタがバイリンガルプラットフォームのロゼッタを買収だ。

ロゼッタがエニドアを14億円で買収

ロゼッタは2016年8月9日、クラウドソーシングによる翻訳サービス『Conyac』を運営するエニドアを完全子会社化すると発表した。方法は、株式取得および簡易株式交換による。
エニドアの子会社化にかかる費用は総額で約14億円になっている。内訳としては8月15日にロゼッタがエニドアの発行済株式1263株のうち633株を7億3200万円の現金で取得し、残りの630株については9月1日時点でロゼッタ株195,930株と交換する形になる。

ロゼッタもエニドアと同様の翻訳のサービスを提供しており、プロによる翻訳の『翻訳通訳事業』、機械による翻訳の『MT事業』、この中間となる『GLOZE事業』が存在する。エニドアの提供するクラウドソーシング翻訳事業が『GLOZE事業』と『MT事業』の間を埋めるものになると期待して今回の買収に至った。

Conyacは翻訳のクラウドソーシング

エニドアの創業は2009年2月であり、およそ7年半でのイグジットということになる。創業者の山田尚貴氏が以前務めていた企業で、短いメールなどの翻訳依頼が多かったことからConyacの原型となるアイデアは生まれた。2016年8月の今日時点でサイトに掲載されている翻訳者の数は100カ国8万人となっている。

Conyacは、そうした翻訳者に翻訳を依頼できるクラウドソーシングサービスで、ランサーズなどと同じジャンルの中の特化型クラウドソーシングということになるだろう。

堅実なイグジットが増える

同社は2013年10月には6000万円の資金調達に成功している。そこから3年後14億円のバリエーションでのイグジットと考えるとおおむね順調に推移したということになると言えるではないだろうか。IPOほどの大成功でなくとも14億円という評価はVCからすれば大きなリターンである。

近年において増えているのはこうしたイグジットによる堅実なリターンを求める動きである。IPOに関しても100億円前後でのスモールIPOが目立つ。それだけVCもリスクをとる必要がなく、わりかし小さな市場の事業でも勝負にいけるようになった。このことで起業家にとって選択肢が広がるのであればそれは非常に望ましいことなのかもしれない。