ランサーズ次の戦略はコンテンツの運用プラットフォーム


ランサーズが次々と新たな戦略を行っている。
次の一歩はコンテンツの運用プラットフォームである。はたして…

ランサーズ新たなサービス

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事業者がメルマガ配信という非常に簡単な手続きのみでオウンドメディアを作ることができる『Propag』のリリースからわずか3ヶ月足らず。ランサーズが新たなサービスを展開してきた。
ランサーズの新たな一手はコンテンツマーケティングの運用プラットフォーム『Quant』。これは近年普及が進むオウンドメディアの運用等を支援するもので、上述の通り、本誌で紹介した『Propag』をより拡張したものになっている。特徴としては、コンテンツを制作するクリエイターのポートフォリオや読者の分析およびデータなどを一元的に管理してくれるなどがある。

オウンドメディアを運営する企業は『Quant』のウィジェットなどをサイトに組み込むことで利用が可能となる形で、非常に利用がしやすい。『Propag』と同様、無料から利用可能になっており、ランサーズの抱えるクラウドソーシング人材ネットワークを活用したアウトソーシングプランも用意されている。アウトソースする場合は主にメディアボリュームなどに応じた料金設定が採用されており、クラウドソーシングの業界で危惧されているようなダンピングは起こらないようになっているのだろう。

コンテンツマーケティングの不安は質

オウンドメディアを用いて、事業者がより顧客の獲得を行えるような活性化が生まれる。また、そこでコンテンツを制作するのがクラウドワーカーであればそういった形でアウトソーシングのボリュームも増える。というのがランサーズ側の青写真だろうか。ただ、そうやすやすと思い通りにはいかないだろうという懸念を抱くのは自然なことだろう。

コンテンツを制作するクラウドワーカーはそのクライアント(つまり事業者)よりもその分野に詳しいだろうか。仮に、『Quant』を利用する企業が美容用品のメーカーだったとしよう。そのメーカーはオウンドメディア、つまり自社で情報を発信していくことによって、主に美容に関する役立つ情報を届けることで見込み顧客との接点を増やしたい狙いがある。では、コンテンツを制作するクラウドワーカーはそのメーカー側の人間のように美容に精通しているだろうか。クラウドワーカーが関与することによって、巷で話題のキュレーションメディアのようにとりあえず記事を量産するようなそんな低クオリティのコンテンツが増えてしまうのかもしれない。

オウンドメディアによって企業が発信する機会が増えるというのは非常に面白い試みであり、北欧暮らしの道具店のようにメディア化によって成功を収める企業も存在する。ただ、そこにクラウドワーカーが絡んでくるのはナンセンスのようにも思える。

マーケティングオートメションとしての『Quant』

ただ、『Quant』の質は非常に高い。ただのライターの管理システムではなく、各クリエイターが製作したページの流入や拡散などの数値のみならず、訪問してきた読者の行動解析もしてくれる。多くの解析ツール顔負けの機能を取り揃えている。他の解析ツールなどとっつきにくいものと違い、ランサーズというブランドの中のものであることで事業者も非常に利用がしやすいだろう。
また、ライターごとのパフォーマンスを解析し、記録できることも非常に大きな利点だ。このライターが書いた記事がブランド認知に寄与した割合はいくらというような評価が数値化できれば企業側もコンテンツマーケティングに対する費用対効果を認識しやすい上にライターへの報酬も正確なものになる。

クラウドワーカーの専門性には疑問がある。ただ、こういった試みはマーケティングオートメーションという分野で見れば非常に興味深いだろう。