金メダルの数はGDPで決まるは嘘だった


金メダルは本当にGDPで決まるのだろうか。
あるメディアの唱えた説には大きな嘘があった。

金メダルはGDPで決まる?

あるメディアが、金メダルの数はGDPの値で決まるということを語っていた。しかし、その内容に疑問があったためその点について扱うことにする。

まず、その内容の骨子となるGDPと金メダルの数の相関を示した図が以下の通り。

gdp-gold

気になるのは、GDPが小さく、この図の上ではよく見えないような国がほとんどであるということだ。これでは、比較することは難しいし、ある記事の指摘ではこの相関係数の値が事実と異なるのではないかということが言われている。おおよそこれだけで根拠とするにはあまりに暴論である。

あまりに大きな値は相関係数を変える

次に、上の図であまりに大きな影響を持っているのがアメリカである。つまり、GDPも金メダルの数も大きいアメリカに大きく回帰モデルが寄るということになる。どういうことかというと、相関係数などを考える際に他はみんなGDPが3000億ドルくらいなのに突如300兆ドルとかそういう国があったとしてその巨大な国の数字に寄るので、飛びぬけて大きな国があると相関係数が良く出やすい(1および-1に寄る)ということになる。

ある記事の算出で、アメリカを除いた相関係数は0.5以下だとしている。だとすればその相関は弱いと言え、GDPで金メダルの数は決まるとは言えないのではないだろう。

金メダルはGDPにあまり関係ない

そして最後に、上の図で団子になっているGDPの低い位置で固まっている国々のみを取り出して仮説が成り立っているのかどうかを考えるべきだ。GDPの大きな国だけでそれが成り立っているからといって小さな群を無視していたらそれは暴論と言える。

ある記事が算出したデータは以下の通り。

gdp-gold2

相関がおおよそないということが言えるのではないだろうか。
このように、データの見方によって全く異なる結論になってしまう。メディアとしての信頼性もそうであるが大学教授がこうした暴論を述べていることについてはあまりのリテラシーの低さに開いた口がふさがらない。

おそらく、人口と金メダルの相関性の方がよっぽどあるのではないだろうか。