2016年にはたしてVRは変わったのだろうか。
大きな節目になるとされていたこの1年は、VRという非常に大きな市場にとってどのような1年だったのだろうか。VRはどこまで進んでいるのだろうか。
VR元年と呼ばれた2016年
2015年末、いやそれよりも前から2016年はVR元年と言われていた。この年をきっかけにVRは世界中に普及するだろう、VRが世にお披露目される年になるだろうと、そう言われてきた。
では、スマートフォンのように我々全てがVRを日々楽しんでいるだろうか。そんなことはない。はたして今年1年はVR元年だったのだろうか。
『VRDC 2016』であらゆるデータが明らかに
2016年11月2,3日(現地時間)、アメリカサンフランシスコで行われた『VRDC 2016』では、VRに関するあらゆるデータが公開されている。VRDCとはVirtual Reality Developers Conferenceで、会場では世界各地のVR開発者が集い、デモの展示、そして開発に関する知見を共有するセッションなどが行われていた。
そこで公開されたデータでは、投資額からコンテンツ、消費者の反応まであらゆるVRのデータが公開されている。
投資額は年々倍々ゲームに
VRに対する投資額はうなぎ上りである。2012年にOculus Riftが登場し、その翌年から毎年2倍近い成長をしている。想定される市場の規模も大きくなり、VRへの関心が寄せられていることが分かるだろう。
各VR機器の価格と販売台数
次に、VR機器を携帯性、没入感の2つで分類したものである。PSVRは唯一どちらも満たすというような評価を受けていることが分かる。下には価格帯や販売台数があり、PSVRは価格帯を考えた際には非常に普及していることが分かる。
続々と増えるVRコンテンツ
Oculus Rift、PSVR、SteamVRのそれぞれでのコンテンツの発売の価格帯と時期が分かる。PSVRは2016年10月の発売と同時にコンテンツが出ており、他のものでは徐々にコンテンツの数が増えている。
高価格でも売上は落ちない
SteamVRでのコンテンツを、価格が横軸、売上(金額)を縦軸にしたもの。おおよそ価格の高いものの方が売上も出ているように見える。ある程度高価格のコンテンツでもユーザーは買うということだろうか。
今後VRはどうなるのか
VR含め、ハード機が売れるためにはキラーコンテンツの存在が必要不可欠だ。ポケモンをやるためにゲームボーイを買ったり、モンスターハンターをやるためにPSPを買ったりという風に。
これぞVRと呼ばれるようなキラーコンテンツが出てくるかは今後のカギになってくるだろう。それがPSで言えばファイナルファンタジーやメタルギアソリッドになるかもしれない。こういったコンテンツ、もしくは新たなコンテンツがVRを生かして劇的にヒットすれば消費者に広まる可能性は十分にある。
今年1年は、VR元年と言うにはいささか動きが小さかったように思える。