AmazonCEOジェフ・ベゾスが語った宇宙への展望とは


AmazonのCEOであるジェフ・ベゾスのことを知らないものはいないだろう。
とはいえ、彼が宇宙産業へ並々ならぬ情熱を注いでいることは意外と知られていない。彼が語った宇宙への展望とは。

宇宙カンファレンスでジェフ・ベゾスが語ったこと

2016年4月12日、アメリカコロラド州のコロラドスプリングスで全米最大規模の宇宙カンファレンス『第32回 Space Symposium』が開催された。そこでアメリカ最大手ECAmazonのCEOジェフ・ベゾスが登壇し、自身が創業した航空宇宙企業『Blue Origin』のについて語った。(出典 http://www.itmedia.co.jp/

Alphabet、Apple、Facebookとともに世界のビジネスシーンを引っ張るビッグ4に数えられるAmazonのCEOであるジェフ・ベゾスが語る宇宙に対する野望とはどのようなものなのだろうか。

Blue Origin』の功績

AmazonのCEOであるジェフ・ベゾスが宇宙産業に力を入れていることはあまり知られていない。よく知られているのはカリスマ経営者であるイーロン・マスクのSpaceXである。ロケットを使い捨てにする取り組みや民間で一から宇宙産業に挑んだ点など彼の偉大さを示すエピソードには事欠かない。とはいえ、最近ではジェフ・ベゾスの『Blue Origin』もまた注目を浴びている。

同社が開発する『New Shepard』2号機は、2015年11月に高度100kmまで到達した後に地上の着陸に成功した。2016年1月には同じ期待を用いて再び打ち上げを行い宇宙空間まで到達してから地上着陸に成功した。そして、4月3日には3回目のとなっている。これはイーロン・マスクのSpaceXのFalconとは到達高度で優っている。

ジェフ・ベゾスの語るビジョン

ジェフ・ベゾスは『数百万人という人が宇宙で暮らし、働けるようにしたい。宇宙までも見据えた文明(spacefaring civilization)にしたい』というビジョンを語り、『将来的に地球を救うには宇宙を活用しなければならない。限られた地球資源のためにもほとんどの重工業は地球外に移行し、地球は居住用または軽工業用のための地域とすることを考えている』と語気を強めた。今や起業家という人種にとって地球という環境を救うことは最大の関心であるのかもしれない。

ジェフ・ベゾスは宇宙産業の重要性ではないことを語る上でAmazonを引き合いに出した。Amazonの創業時を振り返り、『当時、既に郵送サービスやネットアクセスを可能にする電話回線、クレジット決済などのインフラがあった』とする一方で、宇宙についてはそうしたインフラが足りておらず、現状よりずっと低コストで宇宙へ到達することの重要性を語った。

ジェフ・ベゾスは宇宙産業でも世界を変えるのか

同様の産業で同じく再利用ロケット開発に着手しているSpaceXとの競争に関しては『偉大な産業というのは、1社、2社の企業を生むのではなく、数百ないし数千もの勝者を生むものだ』として、自身が産業全体の発展について目を向けていることを示唆した。

ジェフ・ベゾスはこれまでロケット開発に500億円以上を投資してきたとされている。今後のプランに関しては、2017年にはテスト飛行士を、2018年には最初の顧客飛行士を送り込むことが目標として掲げられている。AmazonでECの覇権をとったジェフ・ベゾスならば宇宙産業でもまた世界を驚かすかもしれない。