史上最強の親子ゲンカで話題をさらった大塚家具。
その創業者であり経営権を失った大塚勝久氏が新会社を設立で親子ゲンカに終止符が打たれるだろうか。
史上最強の親子ゲンカ
大塚家具の創業者大塚勝久氏とその娘久美子氏の間での経営権を巡るマスコミを巻き込んだ争いは”史上最強の親子ゲンカ”とも謳われ、大きな話題を集めた。
それまで二者が1年や半年おきに経営権を交代していたものの、父勝久氏が経営陣を巻き込んでのクーデターを引き起こしたことからその争いは世間に認知されることとなった。
結果として3月27日の株主総会での投票により娘久美子氏が株主に支持され経営権を得ることに成功したわけであるが、下記の記事の通りこれからも争いは続いていくだろうと想定されていた。
大塚勝久氏が『匠大塚』を設立
7月1日、東京都港区に資本金3000万円で「匠大塚」(たくみおおつか)なる新会社が設立されたことが明らかになった。同社の代表取締役は、大塚家具の創業者で前会長の大塚勝久氏(72)と、長男で大塚家具の取締役を務めた大塚勝之氏(46)。法人登記の設立目的には、美術工芸品や家具、カーテン、照明器具などの卸売り、小売り業務とあり、まさに”第2大塚家具”といえる。
まさに第二の大塚家具と言える『匠大塚』を7月に設立していたことが明らかになった。その名前の通り、従来の大塚家具の方向性を踏襲した高級路線の家具店となることだろう。
父勝久氏と息子勝之氏のほかに取締役は3人おり、妻の千代子氏、大塚家具で総務部長、財務部長を務めた池田真吾氏、所芳正氏で構成されている。経営権を争った際に父勝久氏側についた親族や幹部がすでに大塚家具を退職しており、『匠大塚』の幹部につく模様である。
史上最強の親子ゲンカに終止符か
実は、父勝久氏は娘久美子氏の管理する会社に対して裁判を起こしており、血のつながった仲でもここまでこじれることができるのかという声が聞かれるほどにお互いの関係は悪化している。とはいえ、ひとまず経営権に関する争いは終止符を打ちそうである。
大塚家具の株式の18.04%を保持する父勝久氏。今回4.90%を売却し17億円を得るがその資金を『匠大塚』の運転資金に充てると言われている。
もともと父勝久氏の伝統を守った高級路線と娘久美子氏の時代に沿ったカジュアル路線のどちらをいくかを巡って両者は対立していた。それが、新会社『匠大塚』では高級路線が、大塚家具ではカジュアル路線がとられることになる。
そのどちらが業績を上げるかに互いのプライドをかけてライバルとして争うことになるであろう。