先日紹介した『LINE LIVE』が早くも大台を突破した。
いとも簡単に755を超えるトラフィックを獲得した『LINE LIVE』が今後の音楽業界のビジネスモデルを変える。
『LINE LIVE』にユーザーが殺到
LINEは、12月10日に公開した、ライブ配信プラットフォーム「LINE LIVE」が、サービス公開初日で総視聴者数500万人を突破したことを発表した。
出典 http://markezine.jp/
先日発表の『LINE LIVE』が早くも500万のユーザーを獲得した。記者会見中に実施したAKB48の公開生放送では視聴者数が最大90万人になるなど非常に高い数字を記録した。いきなりこの大きな数字を出すあたりはLINEというプラットフォームが実に大きいことを感じさせる。
※『LINE LIVE』に関してはこちらから。
あまりに強すぎるLINEブランド
今回の『LINE LIVE』の反応を受けて分かったことはLINEブランドはあまりに強すぎるということだ。LIVE動画というジャンルを取り扱っているのは実質ニコ生、Ustreamくらいで、とりわけ市民権を得ているサービスというのはいまだ存在しない。LIVEを動画で見るものという文化は少なくとも日本には広まっておらずこれからの成長が期待される産業である。特に、テキストベースの仕組みでないこともあって動画という媒体は見るためのハードルはテキストよりも高い。にもかかわらず500万という数字をいとも簡単に突破したLINEがいかに強いブランドであるかを感じさせられる。
話題になった755のユーザー数は400万人を突破している。正確な数字は運営側が発表していないが、おそらく『LINE LIVE』の数字よりも低いことは言えるだろう。なぜこの755を挙げたかというと、『アーティストとコミュニケーションをとる』という点についてはメッセージのやりとりをする755と、LIVE動画のやりとりをする『LINE LIVE』という違いはあれども似た属性をターゲットとしているからだ。ともにAKBなどのアーティストを看板等に使ったことからもユーザーが求める『アーティスト』を見たいという点については同じだ。CM戦略で20億円の赤字を出しながらも400万人のユーザーを獲得した755とリリースするなりいきなり500万の総視聴者数、しかも一度に90万人を集客した『LINE LIVE』には大きな差が見られる。755が劣っているというよりも、LINEブランドがあまりに強大すぎると言える。
『LINE LIVE』はライブの概念を変えるのか
もちろん先に言っておくと『LINE LIVE』がいきなりライブというもののビジネスモデルを変え、現状のライブという産業が崩壊する可能性は限りなく小さい。その場所に行かないと味わえない臨場感があるのだからライブに足を運ぶファンは常に存在するだろう。プロ野球が全試合ケーブルテレビなどを通してみることができても球場には多くの客が訪れることとからそれは証明される。しかしながら、『LINE LIVE』によって今後ライブというもののビジネスモデルが変わるかもしれない。そしてそれはアーティストにとって非常に大きな魅力になるだろう。
まず、1つそれを証明する数字があり、それはAKB48の公開生放送の90万人という視聴者数である。これは、東京ドームなどの日本で随一の収容人数を誇るライブ会場の収容人数が4万5000人であることを考えると東京ドームの20倍の会場でライブをしたことと同じである。これだけの集客力を『LINE LIVE』は持っている。ともなれば、ライブを運営する際にアーティストはそこに来るファンからの収益のみならずその20倍に匹敵する視聴者からもビジネスを展開することで収益を挙げられることになる。おそらくこうしたことによってアーティストは今まで以上に収益を挙げやすくなるに違いない。そして、CDを売って稼ぐビジネスモデルはこれからさらになくなっていく。音楽業界はグッズなどによる所有、そしてライブなどによる体験を2つの軸として展開をしていくことになる。そしてその体験は現場での体験と視聴によるライブDVDを見ているような体験に分けられ、後者についてはLINEが牽引していくことになるだろう。
今後こういった形でLINEはITを飛び越えたジャンルにITの力をもってして参入してくる。音楽業界のようにITの力でいとも簡単にビジネスモデルを変えられてしまうかもしれない。そんなイノベーションに今後注目である。