AppBankの株価が上場時の4倍を超える驚異の数字


株価の大幅上昇で注目を浴びたAppBankであるが、その勢いは未だ止まらない。
上場時の公募価格の4倍を超える驚異の数字を本日2015年10月27日に記録した。

AppBankが驚異の株価5220円を記録

マックスむらい氏のAppBankが上場初日から大暴れ

10月15日、本誌ではマックスむらい氏が取締役を務めるAppBank株式会社の上場について紹介した。公募価格は1200円であったAppBankであるが、上場初日ストップ高の最高値2150円を記録するなどその勢いは近年まれにみる好調であった。

そんなAppBankではあるが、あれからおおよそ2週間が経った現在、どのような価格となっているであろうか。実は2015年10月27日終値で4745円を記録している。本日27日にはなんと驚異の5220円のストップ高を記録した。公募価格の2倍に迫る2150円を記録した初日から営業日にして8日経った今、株価はその2倍を大きく超える数字を記録している。

AppBankの時価総額は最高にして337億円を記録

グノシーがわずか5ヶ月で株価半額の大暴落

先日、グノシーの株価が890円を記録、時価総額は200億円を切ったが、今も低迷を続けその数字を下回る株価を現状として記録している。AppBankの時価総額はそのグノシーを大きく上回る306億円であり、最高では337億円を記録した。まさか半年前にはかなりの量のCMを飛ばし、次世代の注目されるITサービスであるニュースアプリで一旗上げたグノシーの時価総額がアプリケーションの情報サイトを運営するAppBankの時価総額を下回るとは誰も予想できなかったことだろう。

AppBankの時価総額である306億円は、大塚家具の時価総額317億円とほぼ同等の数字である。わずか4年前に創設したAppBankが歴史を誇る大塚家具と同じだけの価値を評価されていると考えるとその数字は非常に大きなものであるということが分かるだろう。現在、ITベンチャーにはそれだけの可能性が秘められている。

株価好調の要因は投機筋の流入?

一般的に20倍ほどに収束するとされているPER(株価収益率)はAppBankの場合は73倍(2015年10月27日現在)となっている。PERとは1年間の収益の何倍の時価総額がついたかを表す指標であり(通常1株あたりの指標として捉えるが時価総額単位で考えても同じことであり説明の容易さからこう考える)、年間10億円の利益が出る会社に対して時価総額が200億円であれば20倍となる。このPERが大きい会社ほど成長を期待されており(もしくは割高とも表現する)、小さい会社ほど収益性のわりに今後を悲観視されている(もしくは割安と表現する)と見る。

IT企業にはかなり大きなPERがつくことは珍しくない。例えば、グノシーの上場時のPERは5241倍であった。この数字は異次元とも言える数字ではあるが、それだけグノシーのビジネスモデルが成長の可能性を秘めていると評価されていたことを物語っている。(同時に、現在PERが18倍となっているグノシーはそれだけ成長が今後はないと判断されたことを示している。)
そのような事実を考えるにAppBankのPERは特別に高いというほどでもないだろう。

しかしながら、このような株価が公募価格から見て上場から8営業日後に4倍以上となることは普通ではないどころかかなり珍しい数字であることが言えるだろう。今回が特殊なのはAppBankについて特別今後の成長の可能性があるとか、好要因が出てきたわけではないということである。
おそらく、AppBankの株価がここまで上昇したのは、マックスむらい氏やYouTuberの知名度からAppBankが注目されやすく、また非常に高い値をつけたことから投機筋(長期的ではなく短期的に株式を保有する投資家)が群がったことにあるだろう。言ってしまえばバブルを引き起こす投資家の動きと同じである。事業内容を考慮に入れた上での株価上昇ではないため、ここから十分に株価が暴落する可能性も秘めているのではないだろうか。今後も目が離せない。