BASEと言えばC2Cのマーケットの中では少し違ったベンチャーである。
そんなBASEがなんとメルカリから資金調達を実施した。この投資の持つITベンチャー界での意味合いとは。
BASEがメルカリから4.5億円の資金調達
インスタントコマースのBASEと、フリマアプリのメルカリの2社は1月4日、資本業務提携を発表する。BASEの実施する第三者割当増資をメルカリが引き受けるもので、BASEが調達する資金は4億5000万円。株式比率や払込日などの詳細は非公開となる。
また、今回の提携に伴い、メルカリの取締役である小泉文明氏がBASEの社外取締役に、プリンシパルエンジニアの長野雅広氏が同じく技術アドバイザーに就任することも発表される。
出典 http://thebridge.jp/
”誰でも簡単にECサイトが作れる”を謳うプラットフォームであるBASEがメルカリから資金調達を実施した。その総額は4.5億円であり、BASEの評価額を意味する株式比率は公開されていない。さらに、メルカリの人員がBASEにも提供されることとなり、ただの増資以上の役割がありそうだ。
キャッシュに余裕ありのメルカリは投資業にシフトか
上記記事の通り、メルカリは豊富なキャッシュを持っている。そのうちの多くが、ユーザーの預り金であることから負債にあたるものの、銀行預金と同様に一定の額は常に引き出されない状態で存在すると考えれば余裕はある程度あると考えていいだろう。
その資金を生かしてメルカリが今後めぼしいベンチャー企業に投資をすることが予想される。今回選ばれたのは同じC2Cのジャンルとも捉えることのできるBASEであったものの、サイバーエージェントやDeNAにGREEなどのIT系ベンチャーの多くはその資金を同ジャンルのベンチャー企業に投資することが多くそういった動きは今後増えるだろう。
メルカリの代表取締役である山田進太郎氏は過去にバイアウトを何度か経験している連続起業家であり、そういったことから買収や投資が増えることは予想される。
BASEとメルカリのシナジーはあるのか
現在、17万店舗を抱え、C2Cに限りなく近いECのプラットフォームとして流通金額の倍増を狙うBASEとしては同じくC2Cとしてのノウハウを持つメルカリを仲間につけたことは非常に大きい。メルカリの持つノウハウが今後BASEに広がっていく可能性が非常に高いからである。
同様に、メルカリからしても投資先として同じようなジャンルである場合については計算がしやすく、ハンドルも比較的容易であるということから適しているのだろう。全く別のジャンルに投資するよりも的確なものになりやすい。そして、C2Cという市場が崩壊することは考えにくいし、ジャンルが同じことによるリスクも少ないだろう。
こうしたやり方は同じSNSであるInstgramやWhatsAppを買収したFacebookを思わせる。
事業会社のベンチャー投資は今後へプラスに
今回のBASEの資金調達は通常とは全く異なる。それはこの投資が上記記事もある通り、ベンチャー企業の持つ課題を克服する可能性のあるものであるからだ。その課題とはVCに振り回され、あまりに早期過ぎる収益化、上場をしてしまう結果スケールが小さくなるということである。
そんな課題は事業会社からの投資では関係ない。VCは必ずどこかで現金化(株式の売却)を必要とするが、事業会社にとってはそれがなくても成り立つからである。そういった点から同業種のベンチャー企業からの出資を受けた方がスケールする可能性が上がるのではないだろうか。