投稿が3時間で消えるアプリ『PROF』がリリースされた。
Snapchatを中心に”消える”というマーケティングが流行っているようだがはたして…
投稿が3時間で消えるアプリ『PROF』をリリース
VAZが本日提供を開始した「PROF」は、”今”を共有することにフォーカスしたコミュニティアプリだ。
ユーザはアカウントを作成し、「なう」を投稿する。「なう」はテキスト、写真、映像等で行うことができ、投稿時には全体に投稿するか、「音楽」「恋愛」「ファッション」など、いくつかのカテゴリから投稿先を選択することができる。
http://thebridge.jp/
投稿が3時間で消えるSNSがリリースされた。Snapchatをはじめとして、現在では”消える”ことをウリにしたサービスというものが増えてきている。特にティーン世代に大きな人気を誇り、”消える”ブームがもしかするときているのかもしれない。
この『PROF』では、投稿が3時間で消えるようになっているmixiのようなものであろうか。
『755』と類似する『PROF』
この『PROF』では、3時間で投稿が消えるが、『Renow』を押すことで拡散したりハートを押す(いいねに近いのだろうか)ことで1秒消えるまでの時間を延ばすことができる。それによって投稿が拡散されることを意図しているのかもしれない。
これを聞く限り連想されるのは『755』である。『755』では、ユーザーがトークルームを作り、そこに参加する他のユーザーが質問を投げかけるものであったが、今回の『Prof』との共通点は1人対多数であるということだ。誰かの作ったトークルームに誰かが来て質問をしなければ成り立たない。同様に、『Prof』では、誰かのした投稿を誰かが拡散したりハートを押さないと成り立たない。
『755』ではその結果として、芸能人のトークルーム以外では全くと言っていいほど機能しなかった。『Prof』でも同じことが言えるだろう。わざわざ普通の人の普通の投稿を拡散しようとも見たいとも思わない。それに、3時間で消える投稿がある程度拡散されて伸びるためには1秒に1回ハートが押されなければならない。かなり起こり得ないことであるだろう。
ただ消えるだけではサービスは当たらない
このサービスはどんな想定で、どういう使い方をするだろうとイメージしているのだろうか。たしかにインフルエンサーとも呼ばれる芸能人が投稿したものなら拡散されるかもしれない。では、消えることによって希少性がどれだけ生まれるのだろうか。Snapchatは消えることによる希少性ではない、消えるからこそくだらないコミュニケーションが、わざわざチャットするほどでもないようなコミュニケーションが生まれたのだ。
芸能人が仮に、3時間しか見えない貴重な写真や投稿を上げたとしよう。はたしてそれはどんなものなのだろうか。ツイキャスでは、ライブ動画であるからそれを”今見よう”とユーザーが集まる。ユーザーの反応に応じて動画の投稿者が反応をしてくれるライブ性がある。どんな投稿ならば”今見なければ”となるのだろうか。
そういった想像があまりにできない。
それならば、CHEERSなどのようなアイドルやタレントを応援するような投稿が見れるようなアプリである方が可能性があるように思える。そこでならば消えるという希少性が意味を成す。好きなタレントの投稿を見るために毎日アプリを開くという目的ができるようになる。
755もそうだ。どうやって使われるのか、サービスの中ではたしてどのような文化が生まれるのか、それが想像できないサービスというのはそもそもユーザーのニーズを理解できていない。この『PROF』がヒットするイメージというのは全く湧かないだろう。3時間で消えることによって何かが生まれなくてはいけない。その何かがないサービスに価値はないだろう。
ただ”消える”という部分だけ真似るのはあまりに安易だ。