巨大なソーシャル大学新聞で急成長の Odysseyとは


ソーシャル大学新聞がなんとビジネスとして急成長している。
3000万人のユーザーを抱えるそのOdysseyの仕組みとは。

Odysseyが2500万ドルの資金調達を実施

ソーシャルコンテンツプラットフォームのOdysseyがアメリカで急成長中である。ニューヨークに拠点を置くOdysseyは2016年4月27日に2500万ドルを調達している。
資金調達マイケル・ラズローと投資会社Columbus Novaのジェーソン・イプステインが主導した。『BuzzFeedのピッチを聞いたとき以来、こんなに夢中になったスタートアップはいない』との声が聞かれるほどに注目を浴びるスタートアップであるようだ。

3000万の月間ユニークユーザーがいるというOdysseyは、『巨大なソーシャル大学新聞』と言えるだろう。

Odysseyの特殊な編集システム

Odysseyには18歳から28歳の1万人のライターがおり、彼らはおよそ週1の頻度でさまざまな内容の記事を書く。ライターは自分の書いたものを読んでもらうために、ソーシャルネットワーク上でOdysseyを拡散していく。ライターには寄稿料は払われず、無料寄稿者というモデルを築いたThe Huffington Postを彷彿させるが、Odysseyの特徴はその編集体制である。

ライターにとってのメリットは”良い記事に編集してもらえること”である。
最初のライターによって書かれた記事は、まずコミュニティ編集者によってチェックされ(ここも無給で行う)、次に外部委託の有給スタッフが編集をし、最後にOdysseyの70名のフルタイム有給編集者が編集をしてから、プラットフォーム上で発信される形になっている。
なぜそこまでするのかと感じるのも無理はないが、実際に3度の編集を経ることでもともとの記事よりも2倍から4.5倍ほど見てもらえるのだという。それだけエンゲージメントが良くなる。Odyssey上で発信されることによるブランド効果もあって、拡散力も高まる。

Odyssey今後の展望

ライターのほとんどは大学生であるが、ライターにとってはより良い記事に編集してもらえることそして名の知られたプラットフォーム上で発信できることがモチベーションである。大学生にとってはそうした経験を積むことができることが大きな喜びになっているのだろう。

Odysseyは最近急成長を見せ、2015年11月には月間ユニークユーザーが2000万だったが、数ヶ月後の2016年2月には3000万に成長している。今回の資金調達を経て、今後は自社そしてライターに対する収益化のモデルの確立をもくろんでいるという。また、ビデオ配信も近々スタートする予定とのこと。ビジネスモデルとしては広告配信だけでなく、どのようなコンテンツがネット上にどのように拡散されていくかという点に関する膨大なデータを活用する方法を考えているとの事。
一見変わったこの仕組みはメディアにおける新しい流れを創るだろうか。