1兆円企業ピンタレストのビジョン


サービスにはあらゆる理念が込められている。
時に、部外者からは同じように見えるサービスでも創業者の込めたメッセージによって全く違うカルチャーが生まれることもしばしばだ。

ピンタレストが今注目される理由

ピンタレストという企業を知っているだろうか。この企業はユニコーン企業の1つで、ピンタレストというSNSを運営している。ユーザー数は5000万人を越え、その企業価値はTwitterを超える1兆円の評価額がつけられている。

日本ではまだそのブームはきていないものの、今後InstagramやSnapchatのように海を渡ってくる可能性は十分にあるだろう。
その使い方は画像を自分のボードに保存して、好きなときに見られるというもので、ややInstagramに近い。

pinterest
出典 http://itunes.apple.com/

ピンタレストがSNSではない理由

ピンタレストの成長から学ぶことは非常に多い。

会社設立から4ヶ月した2010年3月にベータ版をリリースした際、ピンタレストのユーザー数はわずか数千人で、Instgramが同じタイミングで約100万人のユーザーがいたことと比べると雲泥の差である。
しかし、今では月間アクティブユーザー数は1億人を突破している。そして、ピンタレストは2015年に1億ドル以上を売り上げた。この数字は前年比で5倍にもなる。

ピンタレストのCEOベン・シルバーマンはピンタレストはソーシャルネットワークではないと語っている。おおかたの人間の捉え方と彼の考えている内容は異なる。ピンタレストはアイデアの発見のためのものであり、『適切なコンテンツをどのように集めるか』『適切にローカライズされているか』『サービスをうまく説明できているか』を市場ごとに考える必要があるとしているという。

これは、Instagramが自己表現の場であることとは大きく異なる。見た目は同じで、サービス自体の仕組みもおおかた同じだとしても、ユーザーの体験というのは異なるのだろう。シルバーマンは、アイディアを自分で発見するのを手伝うのがピンタレストの役割であると語っている。

シルバーマンの語る未来予測

そして、シルバーマンは現在の世界の動向についても語っている。生物学は学問的知見とコンピュータの性能が急速に進歩を遂げ融合する瞬間になるだろうと。そして、インターネット全盛の今でもなお世界にはコンピュータを持たない人間は何十億人とおり、彼らがそれを手にした瞬間は興味深いことが起こると予見している。

最後にシルバーマンは『続けよう』というアドバイスを残している。最初はうまくいかなくとも今や1兆円の規模に上る企業を作った人間だからこそ言える言葉だろう。