イスラエルが第二のシリコンバレーとされていることは周知の通りだ。
では、そのイスラエルでスタートアップを生む源泉となっているイスラエルの国民性『フツパー』はご存じだろうか。
イスラエルがスタートアップを生む理由とは
イスラエルという国がスタートアップの世界で注目されていることはもはや言及するまでもないだろう。軍事技術を生かした最先端のテクノロジーのみならず、イスラエル人の失敗を恐れぬベンチャースピリットが数多くのスタートアップを生んでいるとされている。
では、なぜイスラエル人の国民性はベンチャーの精神を持ち、数多くのスタートアップを生むに至ったのだろうか。それにはイスラエルの国民性『フツパー』が関係している。フツパーとはどんなものなのだろうか。
イスラエルの国民性『フツパー』とは
フツパーとは、”人が躊躇うようなことを平気でやってしまう”ような勇敢さとともすれば失礼さを併せ持つ言葉である。ただただ勇敢であるというニュアンスではなく、ある意味で失礼であること、相手の都合など考えないほどの図々しさを意味している。そういったことにも踏み込んでいく部分がフツパーと称される。
そのフツパーの起源は、戦争が常に隣り合わせであったイスラエルの地理、政治状況が関係している。平和でないがゆえに積極的に動かなくては死に至る可能性がある。待っていては取り返しのつかないことになる可能性があるのだ。それが、イスラエルのテクノロジーに対する積極的な投資にも起因していると言えるだろう。
フツパーで突き進むイスラエル人
イスラエル人が日本人に言った言葉で象徴的なものがある。
『日本人はすぐに許可をとろうとするから断られる、先にやってしまって後から許可をとればいい』というものである。日本人からしたらありえないような感性であるが、これも死と隣り合わせで常に自分の意思で考えて動くことを求められてきたがゆえであろう。平和な日本では考えられないことだ。
イスラエルではビッグデータの処理や画像解析、さらにはFinTechなどの技術についてもスタートアップが非常に多い。イスラエルからシリコンバレーの大企業に買収されイグジットしたスタートアップの大部分は最新技術を駆使したものだった。日本の多くの企業がマーケティングをベースにしたビジネスちっくなものであるのとは対照的だ。これもまた、イスラエルの国民性が生んだ最新技術への飽くなき探求心によるものだろう。日本人はイスラエルという小国から学ぶべきことがたくさんある。