Snapは上場すべきなのか


Snap(旧Snapchat)上場の噂が出ていますが今が適切なのでしょうか。
もはや上場の必要がなくなったユニコーン企業にとってその意味とは何なのだろうかと考えさせられます。

Snap(旧Snapchat)に上場の噂

Snapに上場の噂が出ています。Wall Street Journalの報道によれば早ければ来年2017年3月にも実現するかもしれないとのことで、上常時の企業価値は2.6兆円を上回ると目されています。

すでに、2000億円前後の規模での資金調達などを行っており、2017年には1兆円規模の売り上げが見込まれています。圧倒的な成長を見せ、資金調達も順調なSnapには上場は必要なのでしょうか。

資金が必要なSnap

SnapはSnapchatからSnapに社名変更する際にウェアラブルデバイスの話が出ており、その開発に大量の資金が必要になるでしょう。Spectaclesと呼ばれるカメラ付拡張現実メガネは安価に抑えられており赤字を前提としたものである可能性があります。

ただ、資金調達だけならば今の時代上場しなくとも集める方法は十分にあるわけです。それは上場の理由としてはあまりに不十分であるでしょう。本当に上場するかは定かではありませんが、同社の上場の理由としてはどんなものがあるでしょうか。

上場による信用や認知度の向上

1つは、上場による社会的信用や認知度の向上が挙げられます。当然上場することで多くの人に知られるようになりますからそのことでSnapchat自体がより多くのユーザーを集められるようにある可能性があるわけです。現状、Snaphatは多くのユーザーを抱えていますが、その多くのは若い世代で本腰を入れて収益を出そうとしたらある程度高い年代に使ってもらった方が広告自体の単価も上がります。そういう意味で徐々に方針が変わる可能性もあるでしょう。

また、社会的信用を得ることによって取引がしやすくなるでしょう。メタップスの上場の際に本誌では、そういった可能性を述べましたが、大手会社と取引をしたりインフラに乗り出すなど見ているとあたっているように思えます。
社会的信用という意味で上場によって株主は一般投資家にまで増えます。ということは、上場した企業が何かうまくいかなかった場合一般お投資家も被害を受けるため、市場や銀行はそれを守ろうとします。デット(負債)での資金調達もやりやすくなりますし、そういう意味で上場はメリットがあるでしょう。

VC側の思惑

もう1つは、ベンチャーキャピタル側からの視点で上場によって株式の売却を行い早く収益化をしたいという可能性です。株主への配当などでのインカムゲインを得ることもできますがファンドの基本的な収入源は売却益です。

ファンドからすればできることなら早めに収益にしたいわけです。一般的にはそこまで長く1つの会社の株式を保有し続けるということはそこまでありません。上場によって流動性が担保されるほうが望ましいでしょう。

Snap上場は数年来の大型案件

Snapが上場すれば近年の上場案件では間違いなくNo.1になりますし、エヴァン・スピーゲルCEOはまだ26歳ですから大きな注目を浴びることでしょう。その一方で、Facebookが上場時に10兆円近かったことからするとそれでも小型のIPOにすら見えます。

ユーザー数はDAUで1億5000万人を超えるなどFacebookとユーザーを取り合うレベルにすらなっているSnapchatです。今後さらに大きくなるのは間違いないでしょう。