iemo流ネットメディアの立ち上げ方


キュレーションメディアというワードが今のスタートアップには欠かせない。
そんなメディアの中で最先端のノウハウを持つのが不動産のキュレーションメディアを運営するiemoであるが、そのiemoのノウハウとはいったいどのようなものであるのか。

DeNAの手がけるキュレーションプラットフォーム

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DeNAのキュレーションプラットフォーム『Palette』については周知の通りであろう。特にMERYについてはCM戦略のステージにいるなど全部で10のメディアはそれぞれ順調にユーザーを増やしつつある。最近多い気がするキュレーションメディアも実はその中で多くのトラフィックがDeNAの運営する(厳密には子会社)メディアのものであることが多い。

なぜDeNAが3つの買収を経て、キュレーションプラットフォームという選択肢に至ったかで言えば、そのノウハウを内製することで再現性を高め、現状のように10のメディアでそれをすることによってそれぞれのメディアが縦の領域(特定分野の深い部分)を、プラットフォーム上で横の領域(それぞれのメディア間でのシナジー)を取りにいくということである。それができるのはDeNAのように資金力があるところと言う風になる。

iemo創業者村田マリ氏

その中で、キュレーションメディア全体の統括のポジションにいるのがiemoの創業者の村田マリ氏である。新卒で入ったサイバーエージェントから独立し、2012年には創業したソーシャルゲームの事業をgumiに売却、そして2014年には創業したiemoをDeNAに買収した。そして現在もiemoのCEOを務め、DeNAの執行役員でもある。彼女のリモート経営という形は非常に注目を浴び、その自由な様というのは賛否両論あるものの経営者の中では少し異質な存在である。

DeNAのキュレーションメディアプラットフォーム『Pallete』には、彼女の存在が必要不可欠である。それはキュレーションメディアというものをヒットさせる、ないしは運営するノウハウにおいて彼女が非常に優れているからであろう。そんな村田氏のキュレーションメディア、そしてメディアの立ち上げ方のノウハウについてご紹介しよう。

メディアの市場の選び方

メディアにおいてどころか、全てのビジネスにおいてどの市場を選ぶかというのは非常に大事な分野である。市場自体が大きいか小さいかというのももちろん、それが自身のリソースから見て適切であるのか市場自体に参入領域がどれほどあるのかといったポイントを見極めることが大事になる。そして、村田氏が語るポイントはその市場について、“パラダイムシフトが起こるタイミング”というものが大きな要因になるという。

いわゆるパラダイムシフトとはそのもののあり方や形式が変わる大きなタイミングであるのであるが、これをメディアの場合について当てはめると“スマホシフトが起こるとき”であるという。iemoが参入したのは2013年12月の頃であったのだが、これが人々が情報をスマホから得るタイミングに切り替わったときである。ここで、当初の市場の話になるのであるが、iemoが対象とする不動産が今まではパソコンを開いて物件を見たりリフォームの見積もりをしてみたりとしていた頃から、スマホで気軽にそれを見るような時代になったときである。このパラダイムシフトが起こるのが不動産であったわけである。

メディアのターゲットを裏付ける

この際、不動産をジャンルとすることは決まった。では、そのターゲットは誰なのだろうか。不動産お多く所有する資産家なのか、それともファミリー層なのか、誰がそれを見るかということが大事になってくる。そして、iemoが考えたのは、一生の中で家を買ったり立て替えようと思うタイミングは20代後半~40代に訪れ、その際に意思決定をするのはその家庭の奥さんであるという部分だった。

ということは、確実にその主婦層に対してメディアを発信すれば購買につながるという裏付けをとって、そうしたデータを基に主婦に対してメディアを展開していく。これがiemoのメディアの立ち上げ方であるという。

そして、顕在的なニーズから潜在的なニーズに対する変化というのもiemoは見逃していない。従来、PCで情報を収集する場合には、どの程度の予算でどんな家をということがすでに決まっているという明確なニーズがあった。それを基に検索などのフローを行うわけである。それが、スマホになるとなんとなくデバイスをいじっている時間が多くなる。ということは、潜在的なニーズ、つまりは本人も想像していないニーズに対して何かのスイッチを入れる、つまり欲しいとそこで初めて思うようになる可能性がある。

マネタイズは広告とマッチング

これはメディア全般に通じることではあるが、メディアの第一の収益源というのは広告である。多くの場合、広告をどこかしらの場所に挟むことによってそこから収益を上げるというやり方はメディアの古く方のあり方で非常にシンプルあ形である。言うならば、メディアの雄であるテレビもCMという形の広告によって成り立っている。

そして、その次がマッチングである。広告というのはただクライアントのページに飛ばすないしはクライアントの情報を見せるだけであるのだが、そこから、iemoであれば実際の不動産業者に問い合わせができたり購入ができたりするケースも想定できる。広告と本質的には変わらないのであるが、ただただページを飛ばされるよりもメディアの機能の中でそうした申し込みや購買を行えるとユーザーにとってストレスは非常に小さい。これが発展すれば、リクルートの展開するような、例えばSUUMOやマイナビのようなサービスがメディアの体をなしているという風になる。自社内でそれを申し込みまで完結できるという形であり、それはただのメディアではない。

メディアの先はノンストップアクション

メディアが広告のままあるというのは非常に今のテクノロジーおよびインターネット領域を考えた際に不自然であり不便であることであろう。メディア上に不動産業者がページを持ってそこからアクションができればそれが1番早いわけである。できれば個人情報の入力なども省略されているほどいい。スマホというデバイスの進化に伴い、ストレスが一切ない状態でそこまでを完結できるようになったわけであるから、それをしないのは非常に不自然な話である。

メディアの理想の形というのはそういった、潜在ニーズを拾う部分から購入までの全てがノンストップで同一ページ内で行われることであろう。そう考えると今までの広告を出すだけのメディアとは大きく異なった姿が見れるかもしれない。