若手で最高の起業家と噂の男にその極意を聞いた


活躍中の日本のリーダーに匿名だからこそ話せる本音のインタビューをするこの企画。
今回は、20代の半ばの若手起業家の中でも最高の起業家と噂される徳永さん(仮名)にお話を伺ってきました。

現在の事業は投資がメイン

――徳永さんは現在はどのような事業をされているんでしょうか?

「色んな事業を繰り返してきましたがメインは投資です。今まで不動産、金融、ITなど様々なことをやってきましたが、最終的に投資が1番性に合っているのかなとは思いました。」

――非常に様々なことを経験されているんですね。

「かなり色々やりましたよ。最初は学生のときだったんですがセールスをやっていました。法人に対する集客から収益化にかけてのコンサルティングの営業ですね。法人相手に経営の話をガチンコでしてたのでものすごいタメになりました。やっぱりみんな最初はセールスマンとして足を動かすことから始まりますよね。」

――それから、どのような経緯で今の事業内容にいきついたんでしょうか?

「実はけっこう遠回りしまして。あまり思い通りにいかない時期が2年ほどあってからコツコツ自分の確実にできることをやっていこうと。web系の法人に対するコンサルティングをメインに収益を回しつつどんどん投資の領域を広げていきました。」

――今に至るまでに相当な苦労があったんですね…

「ほんとに色々やりましたね。合コンのセッティングとか、思いつくことをやってみたり。わけのわからない不動産の話に手を出したり。100万円投資したのがゼロになったりもしましたね(笑)結局は自分が割に合わない大金を得ようとする変な欲からきたサビでした。自分の力でコントロールできることを全力でやろうとしてからは不思議とどんどんうまくいきました。」

人はやましい気持ちからしか失敗しない

――うまくいく秘訣はコツコツやるということでしょうか?

「まさにそうだと思います。うまくいかない頃に手を出してうまくいかないのは全て身の丈に合ってなかった。年間で5,600万くらいしか利益を出せてなかったのに1億円稼げるとかいう話に手を出したり。1億円稼げる可能性があるなら100万円飛んだとしても別に痛くねえなとか思ってたらほんとに飛びました(笑)」

――とは言っても100万円は痛かったんじゃなかったでしょうか?

「大したことはなかったですよ。事業で得た利益のうちから出しましたから。その代り、またコツコツ働かなきゃいけないなみたいな。1億円利益出して好きなことだけやるつもりだった夢が破れた瞬間です。損するの怖いなら経営者やらなきゃいいんですよ。もっと言えば公務員になればいいんですよ。しても平気なレベルの損はどんどんする方がプラスになる。」

――リスクを負うのを恐れるなということでしょうか?

「というよりも、何もしないで止っているリスクを取る方がよっぽど嫌だったってだけです。それだと楽しいこと何もないまま死んじゃいますよ。ただし、甘い考えは絶対だめです。お金を出すからええい!なんとかなれ!じゃなくてちゃんとやること。ちゃんと自分の力でこうしようと思うこと。」

――欲をかくと失敗するということですね

「その通りです。欲があるのはいい。大金持ちになりたいそれはけっこう。でも大金持ちになるのならあなたはそれだけの大金をもらうためにそれ相応の事をしなきゃいけない。それはイコール苦労しなさいということではないんだけど、それだけのことをコントロールしなければいけない。」

物事をコントロールする

――コントロールするという言葉が出てきましたがそれはどういうことでしょう?

「簡単に説明するとそれだけのことを理解して処理するということです。僕の場合だと、100万円ほど投資してあとは向こうがやってくれるという話で失敗した。騙されたまでではないですけどね。自分が見えない範囲ってのはコントロールできていない。1億円稼ぎたいのなら1億円分の利益が出るレベルの売り上げの規模が見えてなきゃいけない。」

――なるほど、自分が見えてる以上には利益は得られないということですね。

「そうですね、欲をかくっていうのは自分が見えている以上に利益が出てくると思うこと。例えば、家具を売って1億円稼ぎたいなら、利益率が10%だとして10億円売る必要があって、顧客単価つまり1商品の値段3万円だとして3万個売る必要がある。3万個売るならそれだけの販促ルートと集客が必要だなとかまで分からなきゃいけない。現実性とかは置いておくとしてそれがどうしたら起こるかは知らなくてはいけません。」

――ちゃんと計算ができなくてはいけないんですね。

「それができないことは今現在では絶対達成できないものだと思いましょう。僕の場合は計算できないことを追っかけてしまったから2年間も無駄にしてしまった(笑)」

投資とは必要なものを広げること

――さて、徳永さんの本業の投資について聞いていきたいのですが

「主にVCみたいな感じです。設立期くらいの企業に投資する。別にジャンルはなんでもいいです。それが世の中で必要とされればそれでいい。必要とされるってことはお金になるから回収できますから。売り上げが立たない事業ってのは要するに誰からも必要とされてないんです。いなくなっていい事業なんです。」

――けっこうシビアな意見ですね…

「市場はシビアですからね。この企業は頑張っているからって欲しくもない商品は買わないでしょう。市場は必要としているものに反応するし、そうでないものはどれだけ広告費をかけても何をしても反応をしません。これは投資をすることによって分かったことだと思います。」

――投資をすることで市場について知るようになったということでしょうか?

「その通りです。投資をすると自分で事業をするのとは少し違った一歩引いた目線になります。絶対に成功させなきゃいけないんだけど、自分が動き回るのとは違ってちょっと輪の外から見ている感じ。投資家っていうのはものすごく面白いですよ、全ての分野について知れるようになる。」

投資家になるのは自分で稼いだお金を使うこと

――投資家になりたい若者もきっと多いとは思うのですが、どうしたらなれるんでしょうか?

「難しい質問ですね。投資はやはり最終ステージですから、そう簡単になれるものでもありません。最低でもやはり1000万くらいはないと機能しないですね。まずは自分で事業をやって欲しいと思います。」

――それを経ての投資家へのステップへといくわけですね。

「まず事業をやらないと事業について知ることはできないですね。基本的に自分が中に入って1番汗をかくっていうのが鉄則です。仮に何十億円持っていてもしっかり事業を経験すべきだと思いますね。」

――とは言っても事業家と投資家は違うと思うんですが、心がけることなどはあるんでしょうか?

「1番は小さな設備投資などを繰り返すことです。どっかの会社の株を買うのとは違って事業投資はピンポイントで使い道が決まっている投資ですから、お金をどう使うのが1番いいのかという感覚を身に付ける事が大事です。」

今後はテクノロジーに投資する

――徳永さんには今後の展望などあるのでしょうか?

「考えていることはもちろん色々あります。今までは1年ほどの短期間で成果を見込める投資くらいしかできませんでしたが、これからはもっと長期的にやりたいと思いますし。DNAに関する研究がすごい進んでいて、そういったものに投資したいですね。」

――今後期待できる市場ということですね。

「それもそうですし、ずっと研究に投資したいと思っていたんですよね。経営者とか投資家の役割ってテクノロジーをいかに世の中を豊かにすることに変換するかだと思っていて。素晴らしい技術を開発してもそれだけでは誰も幸せにならない、ビジネスにしたとき全員が使えるようになるんです。」

――それが投資家の役割なんですね。

「もちろんです。我々は頭もよくないし、ビジネスしか分かりませんから。でもビジネスも世の中で必要不可欠。ビジネスをやる以上はそれが様々なことにつながればいいとは思っています。」

――では、最後に若者に向けてアドバイスなどあれば教えてください。

「投資家らしいことを言うと、自分のリソースの全てを投資すること。あなたのリソースというのはほとんどが時間だと思います。お金は少ないでしょう。ならば時間をどんどん投資しましょう。色んな方向性に対して、何度も試行錯誤しながらいつか大きなリターンに引っかかるはずです。」

今回の徳永さんは学生起業家出身の投資家でした。
投資家の考え方が少し分かったんではないでしょうか。
また次回をお楽しみに。