起業を少しでも考えているのなら、
この現実的な話は知っておいた方がいいでしょう。夢だけで物事は達成できません。夢と現実をしっかり把握するバランスが大事です。
事業には人とお金が必要
当たり前の話ですが、事業を行うには人とお金が必要です。
優秀な人がついてこなくてはいけないし、お金も必要です。
そして1番大事なのは、従業員に給料を払わなくてはいけないこと。
5人雇うとしたら固定費で150万円くらい月でかかります。10人なら300万円です。
これは限界までお金をケチった場合。オフィスの家賃などは含まれていませんから、この20%増しくらいは考えておきましょう。
ということは、10人雇ったらその10人を使って400万円は月に稼がなくてはいけない。固定費を抜いての利益で400万円の利益が必要です。
お金なんか嫌いだというのかもしれませんが、お金がないと人は生活できません。
これだけ利益を生み出すつもりがないならまず他の人を巻き込むのはやめましょう。
特に学生には欠落している考え方ですが、人には人の生活があります。親が学費を払ってくれて生活させてくれている学生は親に養われているから気付かないだけです。
このように、事業にはそれなりのお金と向き合う覚悟が必要です。
将来性ってなに?
よく将来性という言葉を耳にします。
将来性ってなんですか?
この事業は将来性がある、この事業は将来性がないとか、
よくそういった言葉を耳にしますよね。こんな単純で当たり前な事業には将来性がないとか。それって本当に意味のある指標なんでしょうか。
ぶっちゃけ市場に将来性はあっても企業に将来性とかない
こういう事業をしているからこの企業は将来性がないとかこの上なく意味のない話です。
だって事業内容はいつでも変えられるんだから。
今では写真用のフィルムなんてもう誰も使いませんよね。この市場は縮小の一途を辿り、将来性はないわけです。
しかし、富士フイルムは医療の分野に転換して利益を上げ続けています。
エボラ出血熱の治療薬を作っているのは富士フイルムです。
だいたいうまくいかないパターンっていうのは遠い将来のことを考えすぎてうまくいかないパターン。
今どうするかを考えましょう。事業内容なんて後で変えればいい。変わることのできない企業はシャープみたいに滅びるだけです。
利益を出せば他の事業に転換できる
これを見て頂ければ分かりやすいですが、
GREEはソーシャルゲームの発足時に莫大な利益を得ています。その後DeNAは今のように球団経営に乗り出しています。
GREEの方でなく、DeNAの方を考えるといい見本になります。ソーシャルゲームだけじゃ安定しないと考え、キュレーションマガジン「MERY」や出版の分野である「マンガボックス」など分野を広げました。また、本業のソーシャルゲームの分野では任天堂と提携しコンシューマーゲーム領域まで飲み込んでいます。さらにはロボットタクシーなど次世代のテクノロジーに乗り入れています。
ちなみに、DeNAは数多くのM&Aをしています。そうです、買収してしまえば他の事業に乗り出すことができるのです。
資本集約型には自己資本が必要
事業活動を営む上で、労働力より資本設備への依存度が高い産業のこと。
労働によって利益を挙げる労働集約型に対して資本や設備によって利益を挙げる事業を資本集約型と呼ぶ。
資金、設備、不動産などの有形の資産からなるものやシステム、利権などの無形の資産からなるものがある。
よく起業に対してあるべき姿だと語られるのは資本集約型です。
ずっと労働集約型でやっているのでは限界があります。社員一人に対して得られる利益は人件費を払った残りでは年間500万程度が限界だからです。ただ、資本集約型をするのにはそれだけの資金が入ります。
もちろんそこまでお金をかけずに作ったシステムなどが(分かりやすい例で言えばmixiもお金を生み出すシステムの1つ)ヒットし、莫大な利益を生むこともなくはありませんが、時間がかかる上に確実ではなくあまり正しい選択とは言えません。
資本集約型に移行するまでに、労働集約型でお金を貯める必要があります。
これについては、様々な企業が労働集約型からスタートしています。楽天はクリムゾングループとしてコンサルティングで稼ぎました。ライブドアはHPなどの制作で稼ぎました。これらの例のようにみな受託などでお金を貯めているのです。
そう考えると、何かしらのアイディアを練っている暇があるのなら、お金を稼いだ方が物事として効率的ではないでしょうか。素晴らしいアイディアがあろうともお金がなければ成立しません。
若手起業家にはひとまずお金を稼いで資金にするという選択を勧めています。