意識高すぎるSNSが意識高すぎて意味不明と話題に


なにやら意識の高すぎるSNSが誕生したようだ。
その名は「Lemon」。はたしてこのサービスはどうなるのか。

限られた人のみが参加できるSNS「Lemon」

とあるSNSのリリースが話題になった。
それが「Lemon」というSNS。

Lemonは、全大学生・院生の1%をターゲットとした、人工知能による審査制のSNSです。普段の学校生活やサークル活動、アルバイトなどの日常の中だけでは得られないようなハイレベルな交流を提供します。

出典 http://lemonlemon.co/

とのことでなにやら非常に意識が高いSNSである。SNSにそこまで詳しいわけではないのだが、SNS史上最も意識が高いのではないだろうか。

「Lemon」のサイト自体はそんなに意識は高くない

サイトのデザインはあまり意識が高くない。むしろあまりに簡素すぎて不安になるほどだ。流行の1カラムレイアウトであるが、背景が真っ白の1カラムというものはあまり聞いたことがない。なにやら2000年代にはこんなデザインの個人サイトはよく見た気がする。デザイナーはいないのだろうか?意識が高いのなら鮮やかなデザインを駆使するものだと思ったが違うようである。

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出典 http://saetl.net/

できればこんなデザインにして頂きたかったものである。

人工知能により『入力したプロフィールの内容』を既存の30%のメンバーとの親和性があると判断されると入会できるとのことだが、はたしてどうやって親和性を導くのだろうか。おそらく就活の自己判断テストみたいな形で”意識の高い回答”をすればするほど親和性が上がるという内容だろうか。はたしてそれが人工知能と呼べるのかは分からない。正直、最も可能性の高い方法はFacebookを介して友達リスト上でのつながりがどれだけあるかということであろう。
正直、親和性という言葉と人工知能はマッチしない。この人はどんな性格なのかなとかは人工知能の領域ではない。とりあえず人工知能と呼んでいる感は否めない。人工知能とはそもそも定義の時点で広い言葉ではある。

「Lemon」はサイバーエージェントの子会社事業か?

この「Lemon」をリリースしたのはLip Inc.。なにやらサイバーエージェントベンチャーズの出資を受けてサイバーエージェントベンチャーズのオフィス内にあるらしい。サイバーエージェント発のベンチャーとなると、不正をして代表が逃げたクラウドファンディング事業や「会社は学校じゃねえんだよ」と発言して1年あまりで2000万円をメディアで溶かした事業などあまりいいイメージはない。サイバーエージェント自体は非常に素晴らしい企業であり業績を挙げ続けているが、その子会社はあまり結果を残していない。

おそらくは株式のうち51%以上をサイバーエージェントベンチャーズが保有していると思われるので、実質的には子会社なのではないだろうか。オフィスも借りていることからも考えると可能性は高い。こうした出資を受ける企業によくあるのは『利益になるかはよく分からないけど面白そう』な事業をやっていること。ちなみに出資する側からするとお金が溶けても自社に経営陣を取り込むことができるため、倒産してもそれなりに美味しい形になっている。

「Lemon」は意識が高すぎてビジネスとして成立するのか

ここで気になるのはこの「Lemon」はビジネスとして成立するのかである。SNSというのは元来mixiやFacebookのように相当なトラフィックがあってこそビジネスが成り立つ。それに対してこのSNSは意識が高すぎてメンバーを絞っているのだ。従来の形では成り立たないのは分かる。
コミュニティとしてロイヤリティを高めることでユーザー単価を挙げるための意識の高さなのであろう。というよりは、おそらくLip Inc.の方々は『面白いことをやれば利益なんて後からついてくる』と考えているだろう。それはどこか違うと思う。

意識が高い会話がしたいだけなら、SNSでもmixiのコミュニティ機能などでもいいのではないだろうか。「Lemon」の存在意義はおそらく人工知能による審査を乗り越えたユーザーであるという利点であろうか。今のところ話題性は十分だろうが、多くの人間は『やった!審査通った!』の後に全くログインしなくなることが予測される。

「Lemon」は求人などの分野に進むのだろうか

想定される最もスマートなマネタイズは求人を出す、さらには新卒採用へと絡める方向性へのシフトだろうか。ジャンルとしてはかなり利益の大きいジャンルではあるし、ビジネスとして可能性のある分野だ。

ただしそれならそもそも”優秀な人のための求人サイト(優秀な人版リクナビ)”にした方が明確だし、SNSにする意味がない。コミュニティ化することで新たな価値が生まれると考えているのかもしれないが、正直mixiでやっていたことをなぞっているのに変わらない。そもそもSNSは強烈な動機がないと毎日ログインすることにはつながらない。半年後には閑古鳥というのは正直現状最も考えられうるシナリオだ。SNSの中ですることが特にないのである。

SNSという形でユーザーがログインし続ける形を作るのは非常に難しいと考えられる。実際、選ばれた学生の入れるサイトというものもあるが、メルマガすら誰も見ない結果に終わっていた。入るまでがピークなのである。

マルチ商法にターゲットにされる「Lemon」

ここで1つLemonの面白い機能がある。出会い系のように自分と親和性の高いユーザーを毎日1人ずつ紹介してくれるのである。この機能を見たら、限られた人間のみしか入れない出会い系サイトにしたらよかったのにと思わずにいられない。(実際、そういったものは存在する。)
要は、コミュニティである以上そういった形で出会い(異性とかではなく)の提供を行うことをコンセプトにしているのである。

これもまたいい先例があり、mixiの”起業”コミュニティにはマルチ商法の営業マンのみしか残らなくなった。同じようになることが予想される。それではそういった疑いのある人間を片っ端から削除すればいいのでは?と思うかもしれないがそれは問題ではない。mixiの例は営業マンを削除できなかったのではなく、コミュニティを利用するモチベーションのある人間が営業マンしかいなかったから起こったのである。営業マンを削除したらそうでない人間の活動をも抑制することになるし、それでも活性化するほどのことは起こらないのである。

このSNS自体に様々な可能性を感じるのも事実である。しかしながらそう遠くない未来(1,2年先)にはなくなっているサービスであるのではないかと予想される。1つ自信を持ってこの予想を立てたい。