本当の才能とは狂気である


才能とははたしてなんだろうか。
世界に名を連ねる著名人の持つのは才能なのか。それとも狂気なのか。

学者が語る本当の才能

才能とその人間の創り上げた功績の大きさの相関関係について研究していた学者がこう語った。
優れた才能とは狂気である

どんなに才能を持っていて優れている世界的なリーダー、アスリート、そしてアーティスト。彼らの残した功績というものはその才能だけでは説明がつかない。いったいどうしたら同じ人間にも関わらず10兆円に迫る資産を持つことができるのだろうか。1人の生涯賃金を2.5億円としたら4万人の人生で稼ぐ額と同じである。なぜこうも人間の残す成果には差が出るのだろうか。

その答えを学者はそんな言葉で言い表した。才能とかいう言葉では説明のできないような狂気がそこに存在すると。まさに常人にはあらず、そういった領域にあると。

優れた経営者は狂人であった

世界最高の経営者として名高い男が故スティーブジョブズである。そんな彼もまた奇人変人として有名である。大学時代には長髪の髪に風呂に入らず裸で校内を歩き回った。様々な宗教文化に心酔した彼はこうした理解不能な行動を繰り返し時に嫌われ、多くの人間に不思議がられた。
また、その仕事ぶりもなかなかのもので、開発者が必死で作ったiPhoneのプロトタイプを水槽の中に投げ、泡が出るのを見ると、『この空気の分まだ小さくできる』と冷徹に命じた。プロダクトに対するこだわりが常人のレベルではなく、エンジニアは常に彼に苦しめられたという。

にも関わらず彼の生み出したプロダクトは世界中で賞賛を浴び、アップルは世界で最も大きな企業である。ロシアの上場企業の全てを足してもアップルほど大きくない。また、ユーザーのみならず彼の下で働いたエンジニアはとことん彼に惚れていたという。普通の人間には理解できないほどの異常さを持ちながらもそれゆえに世界中に愛されたのがスティーブジョブズであった。

大成功の裏には狂気がある

今では最もイノベーティブな経営者かもしれないイーロンマスクもまた狂人である。Paypalの前身を立ち上げ、数々のバイアウトを経験し40代にして1兆円を超える資産を手にし、今では『宇宙へ移住する』計画を進めている彼は成功の秘訣を問われたときにこう語った。
人が休んでいるときに私は週140時間働いた
これは1日20時間働いている計算になる。いかに彼が情熱を働くことに注いでいるかが分かるだろう。

このような経営者たちの裏にあるのは、異常なまでの仕事への情熱、すなわち狂気だ。資産を1兆円持っていたならば一生かかっても使い切れない。彼はすでにお金を稼ぎきっているのに働く理由はそれをなんとしても達成したくてたまらないからだ。『まあこんなもんでいいか』という風に考えることが彼らにとってはありえない。
日本で最も有名なトレーダーであるBNF氏は主食がカップラーメンであり100円ショップも利用するという。お金が欲しいという次元を超えてトレードを続ける理由には、『儲けられるのに関わらず何もしないで見過ごすのが考えられない』という一種の狂気がある。自身の生活、幸福とはまた違う次元での彼らの考え方が垣間見える。

時代を変える、トップに立つ人間には、彼らの狂気が顔をのぞかせる。何かを成し遂げる人間の持つ才能とは常識を超えた狂気なのかもしれない。