FinTechの未来を担うSquareのIPO価格は9ドルに


注目のユニコーン企業Squareが米国時間11月19日に上場を果たす。
そのIPO価格は9ドルとなるが、はたしてどのような今後が予想されるだろうか。そしてFinTechは今後広がりを見せるのだろうか。

ユニコーン企業のSquareが上場

Squareは今日(米国時間11/18)同社のIPO株価を9ドルに決定し、評価額を26.6億ドルとした。最後に同社が資金調達した時の評価額は60億ドルで、今月始めには1株当たり11から13ドル、評価額41.9億ドルという数字を提示していた。

出典 http://jp.techcrunch.com/

Twitter社CEOジャック・ドーシーが並行してCEOを務めるSquare社が米国時間における本日(日本で言うとおおよそ1日ほどずれる)上場を果たす。未上場の10億ドル以上の評価額を誇るユニコーン企業として知られていた同社であったが今回上場を果たす。

Squareの評価額は一時の半分に

今月、Squareの定めたIPOの仮の価格レンジを11ドル~13ドルに定めた。この仮条件でのSquareの評価額は最大で42億ドルとなるが、この金額はSquareが資金調達をした際の調達後の評価額である60億ドルを大きく下回る数字であり、市場からはこの落差に対する大きな失望感からさらに評価が落ち込んだようだ。最終的な評価額は26.6億ドルとなり資金調達後の60億ドルの半分をも下回る数字となった。

Squareは主力サービスとしてイヤホンジャックに差し込むことで使用ができる簡単なカードリーダーとして電子決済事業者の先駆けとして主に中小企業に対する支払いおよびは在庫・顧客管理サービスとして事業を営むFinTechの先駆け的存在であった。しかし、決済サービスにおいてAppleやamazonが参入してきていること、そして会社の財務状況の弱さが原因でこうした評価額に落ち着いた。

FinTechの未来を担うSquareの上場

FinTech(Finance+Technology)という概念は今年くらいから多く登場するようになってきていたが、未だ生活に普及するようなイメージは、特に日本では見受けられない。AirbnbなどのC2Cのサービスが大きな発展を遂げ市民権を得ているのとは対照的である。

FinTechが広まらない要因としてはそのハードルの高さにある。例えば、Airbnbではホストとゲストがお互いのニーズに基づきマッチングすることで成立する。ところが、FinTechの特に決済サービスにおいてはユーザーが仮にサービスを利用した場合、多くの店舗で使えなくてはならない。Squareの場合はカード決済を行う中小事業者に対するカードリーダーの提供であるからそうした問題は発生しにくいように思えるが、カード決済の利用率が上がらない限りは利用者数が増えないようなシステムであるように懸念される。
そうした点も含め、FinTechはそう簡単に普及しないという側面がある。未だ革新的なサービスは生まれていないように思えるが、今後どのような将来があるか楽しみである。