急成長の動画SNS「フリッパグラム」、42億PV/日を達成


日本ではまだ馴染みのないフリッパグラムが大ヒットを遂げている。
FacebookにSnapchatなどがトップを走る動画市場において1日42億回の再生を誇る。

フリッパグラムが42億回/日の再生を記録

動画SNSアプリ『フリッパグラム(Flipagram)』の閲覧数が1日で42億回に到達している。数字自体は、アプリ内での閲覧にInstagramやFacebook内での閲覧数を合算した分散型の仕組みのもので、前年は16億回であったことから考えると3倍近く増えていることが分かる。

フリッパグラムは動画や写真、テキストと60秒以内の音楽クリップを組み合わせた『フリッパグラム』ないしは『フリップ』と呼ばれるコンテンツを作成し、共有できるアプリである。自身が購入した楽曲を使用したり、自分の思い出を音楽にのせて保存することができる。
BGMを流しながら思い出の動画をスライドショーで流すなどといったことが、よく行われているが、それに近いものだろう。

フリッパグラム脅威の成長スピード

動画の閲覧回数のカウントには、様々な非難が飛び交っている。フリッパグラムの場合、動画が再生された瞬間や写真が閲覧された瞬間に1回とカウントされるようになっている。同様のカウントの方法を採用しているのがSnapchatで動画の閲覧数は1日当たり100億回以上に及ぶ。フェイスブックはこれとは異なり、動画が3秒以上再生された場合にカウントしているが、2015年に発表したところによると1日の閲覧回数は80億回だった。

フリッパグラムのファルハード・モヒットCEOは『我々は動画でストーリーを語ることに早くから着目しました。動画の人気は世界的に上がっており、最も簡単に動画を作れるのがフリッパグラムです』と語っている。

約2年半前にサービスを開始したフリッパグラムは昨年7月、約76億円をセコイア・キャピタルらを引受先としたシリーズBラウンドで調達している。同社の企業価値は約300億円に達しており、フリッパグラムの月間アクティブユーザー(MAU)は2015年12月時点で3600万人。これまで2億人以上が、4億3000万のクリップを作成したという。1つの作品あたり平均30の動画や写真が含まれ、長さは平均30秒である。

熾烈を極める動画市場

SNSやメッセージングアプリによる競争は熾烈だ。アメリカでは、スマートフォン上で費やされる時間の5分の1をFacebookにInstagramが占める。アメリカでは18~34歳の6%しか一般的なテレビ局を視聴していないのに対し、Snapchatを利用している割合は41%に上る。すでにテレビを遥かに超えるのがこうしたSNSだ。Snapchatの利用時間は1人当たり1日平均25~30分間にもなる。

フリッパグラムは特にミレニアル世代(おおよそ32歳以下)の女性の支持を集めており、そのフリッパグラム内容は誕生日などの記念日に関わるものや旅行、友人、家族、ペットに関するものが多い。さらには、美容や料理、フィットネス、インテリアコーディネート、DIYに関するハウツー動画、そしてGoProなどを使った冒険を記録した動画も人気だ。
Facebookなどの既存SNSがユーザーによるコンテンツの投稿減少を懸念する中で、フリッパグラムではコンテンツが増加傾向にあるという。流行りというものの勢いは凄まじい。

ユーザーはフリッパグラムによって簡単に動画が制作できるようにすらなった。これが動画世代の新たな形なのだろう。