Facebook Messengerのその誰も気付かない野望


Facebookの躍進の中で意外なほどに影の薄いFacebook Messengerの存在。
その果てしない野望とはいったい。

Facebook Messengerのそのビジョン

始めに言っておこう。
“Facebook Messengerの野望は電話番号をなくすことだ。”

これ自体がFacebook Messengerにもたらされた役割の根幹となっている。はたして電話番号がなくなる未来とはどんなものであるのだろうか、それについて多くの人は想像がつかないことだろう。電話番号がなくなったらどうやって電話をかければいいんだ?LINEなどのメッセージアプリだって電話帳の情報をベースに友だちの登録を行っている。それがなくなったら薄弱な今登録している友達というつながりでしかないし、もしLINEやらメッセンジャーのデータが消えたらどうなるのだろうかと。

Facebook Messengerの進化

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これを見ていただきたい。これがFacebook Messengerの2015年に起こった変化だ。ビデオ通話、金銭の受け渡しそしてビジネス上のアカウントなど様々な分野に対応していることが分かる。Facebook上の友だちでない人間とのメッセージのやりとりもできるようになっているのが興味深い。

もはやただのメッセンジャーではない。これがFaecebook Messengerから見受けられる印象だ。mixiがなぜFacebookにとって換えられそしてFacebookはここまでに成長しているのかが疑問視されることも多いが、メッセンジャーだけでもこれだけのスピードで進化しているのを見るとFacebookがいかに先見の明とその実現力に長けているかが分かる。

Facebookはインフラである

“Facebookは水道や電気のようなインフラとなる”
これはFacebookがまだ創業たかだか数年の上場企業でもないどころか、大学生のみをユーザーとしてサービスを運営していた頃にCEOのマーク・ザッカーバーグが発した言葉である。
水道や電気に並ぶ存在であるかはともかく、Googleという検索エンジンやamazonというショッピングサイトのようにインターネット上のインフラであることは間違いないだろう。そしてそうさせる最大の要因は実名制であることだ。

Facebook Messengerが電話番号なくすことができるゆえんはそのFacebookの実名制にある。電話番号は誰もが持っているものだ。おそらくは世界の90%以上は。しかし、名前は世界の100%が確実に持っている。つまり、電話を誰かにかけたいと思ったときに、Facebook上で名前を検索してFacebook Messengerを通して電話をかけることができるようになれば電話番号などという長ったらしい数字の羅列などその存在自体が無意味になるのである。そういった意味でもFacebookは電話番号を超えるインフラになるかもしれない。

全てのユーザーがFacebook Messengerを使う日

Facebookがあまりにしたたかなのは、このFacebook Messengerのみならずワッツアップというメッセンジャーを傘下に治めているところである。例えば、日本ではFacebook Messengerは仕事上やそこまで仲良くない人とのちょっと堅い感じの連絡に使い友達とはLINEというケースが多く存在する。このLINEが英語圏ではワッツアップに置き換わるわけである。

親しい友だちとのやりとりにワッツアップ、ないしはSnapchatでやりとりをし、連絡という意味の形式的なものはFacebook Messengerでするということになるのかもしれない。そうなると、とりあえずFacebookを交換し、Facebook Messengerで連絡先として登録しておく。友だち付き合いなのならばワッツアップなどを使うし、そうでないならFacebook Messengerのままだ。ここに電話番号は一切必要ない。電話番号の利用機会はどんどんと減るのかもしれない。