ついにGoogleが街を作る『Google Island』が現実に。


Googleが都市を作っているというのはもはや過言ではない。
ニューヨーク市で子会社SidewakLabsは都市問題を解決している。

Googleの挑む都市計画

Googleがついに都市を作る巨大計画を発表

本誌でもお伝えした通り、Google(Alphabet)は都市計画および都市問題の解決を目的とした企業を立ち上げている。不老長寿、人工知能、ロボット、自動走行車、スマートホームなどの研究で知られているが、都市計画というのはそのさらに一つ上の大規模なものである。

その子会社は『Sidewalk Labs』、この都市問題を対象とする企業は生活コストの高騰、渋滞、エネルギー問題などを技術によって解決することを掲げている。Sidewalk Labsは、2015年10月に設立されており、ニューヨークにオフィスを持つ点も従来のGoogleとは異なる。(Goolgeほか、多くのIT企業はシリコンバレーに本社を構える。)

ニューヨークで展開する2つの製品

Sidewalk LabsのCEOは元ニューヨーク市の副市長で、ブルームバーグ社のCEOを務めていたダン・ドクトロフ氏である。
すでにこの会社は2つの製品を展開している。

1つは、『LinkNYV』と呼ばれる歩道に設置される無料のWiFiスポットである。
SidewalkLabsでは、Intersectionというこの製品のための子会社を設立して、ニューヨーク市にこの新しいデバイスを展開しており、ニューヨーク市との提携により今まで街中にあった電話ボックスが徐々にLinkcNYCになっていWiFiに加え、ビデオ電話、緊急電話、スマホなどのデバイスの充電といった機能がある。今後7500台設置予定だという。
このLinkcNYCの最大の目的はインターネットへの接続の格差をなくすという目的にある。WiFiスポットとして機能させるだけではなく、サイネージ、スマートフォンへの広告、クーポンなどを展開する事で、今後12年で新たに5億ドルを超える収入を市にもたらすとしている。

もう1つの製品は『Flow』という都市の効率化のためのオープンプラットフォームである。これは、様々なセンサーデータから得た都市の利用状況をリアルタイムで把握、また分析するものである。このことによって、道路、駐車場、移動手段などをより効率的に利用できるようにするということを実現している。渋滞などの解消に利用ができ、道路や歩道の混雑状況などを様々なアプリ、交通機関などに提供することで、最適な移動を実現するというものである。

『Google Island』の実現は近いか

そして現在大きな注目を浴びるのは、さらにもう一歩進んだ取り組みだ。Googleは大きな都市を丸ごと購入し、一から都市を作るという計画をしていることが明らかになっている。ニューヨークなど既存の都市にアプローチしていくことには限界があり、それならば最初から丸ごとの方が効率的であると考えたようだ。

1つの目玉として予想されるのは、Googleが力の入れている自動走行車で、街を走る自動車の全てが自動運転になる、もしくうは自動運転専用レーンができるとの予測ができ、自動車が所有からシェアになっていく可能性もある。
都市の中でドローンによる配達、ロボットによる接客業務といった技術の導入も期待ができ、これまでとは一転したスピードで物事が進みそうである。

2013年の時点でラリー・ペイジは『Google Island』を掲げているが、それが実現されることになるかもしれない。Googleの作った特区で、新技術が日の目を見るかもしれない。