カヤックがIT企業として初の葬儀業に参入


カヤックが葬儀に参入していく。
IT企業としては当然初のプレイヤーになるが、はたして。

カヤックが葬儀ビジネス参入

日本初の葬儀ビジネスの参入者はカヤックだった。
アメリカでは、amazonがお坊さんの派遣を行うことで話題になっていたが、日本初の葬儀参入者はカヤックという意外な結果になったかもしれない。

カヤックでは、葬儀場を使わない自宅葬に特化した子会社を立ち上げ、持ち家率が高い鎌倉市など神奈川県湘南地域から事業を始める。IT企業ならではの、チャット形式での相談などの営業形態も強みに、営業地域を広げる予定だ。自宅葬は同社が2016年8月24日に設立した子会社『鎌倉自宅葬儀社』が手がけている。他の葬儀会社で勤務経験のある自宅葬の専門家『自宅葬コンシェルジュ』を採用し、生前の趣味や嗜好品などを装飾に生かせるプランを用意する。葬儀をする家の規模によって、6畳間など狭い場所でも自宅葬ができるようにする。

IT企業ならではの葬儀

葬儀に縁もゆかりもないIT企業だからといってバカにはできない。葬儀の利用者が葬儀や事前の相談をしやすくするため、IT企業ならではの取り組みは手厚い。利用者は、自社サイト上に設置されたチャット形式の質問コーナーで相談を行うことができる。これは、資料請求や問い合わせを行うと過剰な営業をかけられるのでは、という不安を払しょくするものである。チャットは24時間利用可能で、社員が随時応答するしくみだ。

料金は位牌や受付セット、案内するスタッフの派遣の有無などで異なり、55万円、85万円、135万円の3種類となっている。料金はおおむね既存の会社よりも特別安いということはない。料理人の自宅への派遣などもオプションで用意されており、装飾品などの手配は提携業者に委託するものもあるが、徐々に内製化を進めるとのことだ。

鎌倉から葬儀に算入する理由

カヤックが自宅葬を鎌倉から始める理由は、鎌倉市内の持ち家率が69%であり、神奈川県の平均の59%に比べて高いことが理由に挙げられる。その周辺では茅ケ崎市でも66%と持ち家率の高いエリアだと言える。このことから自宅葬に適した地域と判断した。

葬儀の現在の主流は葬儀会館を使った会館葬である。しかしながら規模が小さい葬儀には式場が大きすぎたり、同じ会場で1日に複数の葬儀をする関係から時間に余裕がなかったりという指摘も多いという。このやり方が受け入れられていくかは分からないが、自宅葬には合理的な理由がある。