ユーザベースの上場が決定的になった。
NewsPicksを運営する同社であるがどんなIPO案件になるのだろうか。
ユーザベースの上場が決定的に
NewsPicksを運営するユーザベースの上場が決定的になった。上場予定日は、2016年10月21日。想定の価格は2510円であり、想定公募時時価総額は177億円ということになる。IPO株の初値は上がるケースが多いため、200億円前後のバリュエーションになることが予想される。
最近のIPOの中では大きな規模となる。100億円未満のスモールIPOが多いITスタートアップ群の中で、ユーザベースは177億円という規模である。
ユーザベースの主軸はSPEEDA事業
ユーザベースはNewsPicksで知られているが、主軸となっている業務はSPEEDA事業である。SPEEDAとは企業の指標のデータベースであり、国内全上場企業を含む約3万5000社に、海外約120ヶ国の約11万社のデータを提供している。利用料は月間で12万円と非常に高いが、利用企業は1000社を超える。
2016年通期で売り上げは20億円ほどが予想されており、この数字は8億円ほどのNewsPicks事業よりも大きい。月間での定期売り上げが見込めるため、そういう意味ではSPEEDA事業は継続的な収益が見込める安定した事業であるだろう。
NewsPicksのカギは価格単価か
それに対して、NewsPicks事業は月間1500円の有料会員サービスが収益の半分ほどを占め、現在有料会員数は2万人となっているため。月間で3000万円ほどの売り上げがある。広告の売り上げはそれに対して、3500万円ほどあり、どちらかというと広告の方が売り上げは大きい。経済メディアということもあってユーザー数はそこまで増えるかというとそれは難しいようにも思える。
専門的な知識を持つ起業家などがコメントをするなど専門性をウリにしており、その意味でもハードルは比較的高い。
ちなみに、日本経済新聞の電子版は月額4000円であり、そういう意味では1500円という単価をさらに上げることのできる可能性はある。日経新聞ほどのブランドは当然ないため、そこをどれだけ訴求できるかはポイントになりそうだ。
最近では大型のIPO案件に
事業ドメインとしては、こうした部分になっており、その点において課金ユーザーをどれだけ増やしていけるかにかかっている部分はあるだろう。NewsPicksではオリジナルコンテンツを拡充することによってさらなるコンテンツの充実を図っている。これがどれだけの効果を得るだろうか。
事業自体は非常に安定していることから、期待も高いと思われる。IPO案件としては期待ができそうだ。