貨幣はこの世から消えるのか


貨幣はこの世に当たり前に必要不可欠に存在するものだ。
しかし、その貨幣がなくなったらどうなるのだろうか。事実、そういう運動はすでに世界各地で始まっている。

この世から貨幣がなくなるとどうなるのか

この世から貨幣がなくなったらどうなるだろうか。
それを本気で考えている人はこの世にはいる。スウェーデンの億万長者ウルヴァースは、キャッシュレス化運動を率いている。そのきっかけは強盗に遭ったことにあるのだという。たしかに、現金が存在しなければ強盗は実現しない。お金がデータなのだから、それは手渡すことはできないし、銃を突き付けて自分の口座にお金を送金するように要求したとしても、口座はデータによって管理されているからバレるリスクは非常に大きい。

限に、地球上の現金の3分の1は地下経済にブラックマーケット、そして違法労働を通じて流通していると資産されている。現金がなくなれば、そうした行為はできなくなり、お金の動きは全てがデータとして管理されるから盗品を売りさばいたり、麻薬の密売人が取引することも難しくなるだろう。そうした意味で、キャッシュレスは一定の利便性がある。

キャッシュレスは次々と進む

世界ではすでにキャッシュレスが進んでいる国が存在する。アメリカでは商取引のうち現金でのやりとりは46%しかなく、残りはクレジットカードや小切手、モバイル決済で行われている。あらゆる送金ツールやクレジットカードでの決済を可能にする媒体が普及したことでこの動きは加速している。

スウェーデンの銀行は『Swish』と呼ばれるアプリを共同で開発している。Swishは口座間のお金の移動が瞬時にでき、処理時間はゼロ。しかも、必要なのは相手の電話番号だけとなっている。2015年12月の取引件数は1000万回を超えるなどスウェーデンの生活の一部となっている。小さな会社や路上で雑誌を売っているホームレスですらSwishを扱っているほどだ。

小売り分野の現金での支払いは2012年の40パーセントから、2014年には約20パーセントに半減している。すでにそれほどまでにキャッシュレスは進んでいる。
野外音楽フェスでキャッシュレスが採用されたり、バスで現金の受け取りが拒否されるなど動きは次々と進んでいる。こうした動きがキャッシュレスを促進する。日本ではまだ遠いものの、世界はキャッシュレスに進むだろう。