大学生以上になれば、一度は勧誘されたことがあるであろう「ネットワークビジネス」について、元経験者だった筆者が簡単に彼らの勧誘を断る方法について述べる。
1.ネットワークビジネスとは?
ネットワークビジネスとは世間一般的に言われる「ねずみ講」のことです。簡単に言うと、あなたがサービスに登録し、あなたが他の人に紹介をし、紹介した人がさらに紹介をしていくことで、「連鎖的に報酬が発生する」ことです。しかし、ここでいう「ねずみ講」と「ネットワークビジネス」は似て非なるものです。また、巷にいう「MLM」というのは「マルチレベルマーケティング」の略称であり、「ネットワークビジネス」と同じ意味で使われることがあります。
2.彼らが生息している場所は?
基本的に、彼らが勧誘をするためのプラットホームは「SNS」や「出会い系サイト」だったりと様々です。今の若い世代であれば、基本的にはインターネットを通じて「勧誘するための対象」を探すことが多いです。そして、基本的に勧誘する場所はカフェやホテルのロビーなど、場所は様々です。
3.怪しいなと感じた場合
もしも「あれ、なんだかこの人、ネットワークビジネスの人かな?」と思った場合、次のチェック項目を確認してみてください。
- 初対面で夢のことをとにかく語る
- SNSなどのプロフィールで「自由人」を押し出す
- 不満や悩みなどを探ってくる
- 素敵な人を紹介するよと別の人にやたらと会わせようとしてくる
- 人生とはのようなことを語ってくる
上記の中で2つ以上当てはまった場合は警戒してもいいと言えます。彼らはとにかく「自分とは違う人」からそのビジネスを伝えることで「自分が如何に充実しているか」「情報が正しいか」ということをやたらとアピールすることが先決なのです。仮にあなたが勧誘された・勧誘されないということを抜きにしても、初対面で交友関係を深めようとした場合、いずれにしても「悩み」や「夢」をいちいち初対面の人に伝えますか?という話です。もちろん、経営者や事業家同士の場合、夢を語りあう、ビジョンを共有するというのはよくある話ですが、あなたの目の前にいるのは大半が「友人」「知人」などの「自分と特に生活環境が変わらない人」なのではないでしょうか。
4.勧誘を絶対に断れる5つの方法とは?
おそらく、断ることができない人に共通しているのは「押しに弱い人」や「人を思いやる気持ちが強い」などという性格が共通していることが多いです。では、本題の「絶対に勧誘を断れる方法」をお伝えします。
1.そもそも会わない
SNSなどで「ビジネスをやっていますか?」というような勧誘をしてくる場合の人間はほとんどが成功していません。成功していないからSNSで新規を開拓しようとしているわけです。SNSでいきなり「ビジネスやってますか?」というような切り口を展開しているようでは、売れない営業マンみたいなものです。
2.SNSやFacebookのプロフィール・投稿内容を事前に分析する。
Twitterの場合は、やたらとフォロワー数が多くて説教じみたことをツイートしています。
彼らに共通しているプロフィールやツイート・各種投稿内容は以下のような内容です。
- 「あなたは自分の人生に満足していますか?」
- 「1日は86400秒」
- 「自分の人生は一度きり」
- 「好きなときに好きなことをする」
- 「月収XX万円!脱サラ成功」
- 「自由を謳歌する自由人」
- 「最高の仲間と一緒に仕事をする」
- 「とにかく感謝」
あなたも見かけたことがあるのではないでしょうか?
最後にある「感謝」なんてのはありふれたキーワードです。
いわゆる「意識高い系」の投稿が多いとその傾向は高くなるので、もしもSNSで声をかけられた場合は必ずSNSのプロフィールや投稿内容を事前に分析すべきでしょう。
(とはいえ、そうではない純粋な方もいるので誤解しないよう注意が必要です)
3.一撃必殺の断り文句をいう
彼らはとにかく情熱と希望を忘れません。そして、そのありあまる熱意が必死にあなたを「(自分より収入が上の人)」のもとへ連れて行こうとします。その場合、断るための文言は
「あなたがとんでもなく成功したら教えて」
この一言で全て解決します。
彼らがなぜ勧誘しているのか、もうおわかりいただけてると思いますが、「自分がうまくいっていない」から「勧誘」を継続するわけです。中には「タイミングとしては〜」という勧誘者もいます。なのでタイミングのことについて言われたら、「少なくとも私のタイミングは私が決める」ということを伝えてください。また、この「成功」は断る側によっても基準が異なるため、「あなたがとんでもなく成功したら教えて」という断りが通用しなかった場合は次の断り文句を伝えてください。
4.一撃必殺の文句が通じない場合
「あなたがとんでもなく成功したら教えて」という一言が通じない場合に想定されるのは、「だから自分より成功している人を紹介する」というアプローチです。もしくは「話を聞いてダメなところを確認してほしい」ということを伝えてきます。その場合は次の一言を伝えましょう。
「結局あなたがやっていることは労働収入だよね」
彼らは多くの場合「不労所得」とか「権利収入」なんていう言葉を勧誘の文言にいれてきますが、そもそも「勧誘活動自体が労働なわけです」と伝えて、「自分は今の仕事以外にやるつもりはない」ということをキッチリハッキリ伝えましょう。
5.もしもセミナーやイベントに参加してしまった場合
1〜4における方法は、イベントやセミナーに参加する前の段階で断る方法ですが、もしもそのようなイベントに参加した後から執拗に勧誘の連絡がくる場合は、
「マルチ商法のことは知っているけど、私は好きになれない」
ということを伝えましょう。もしもここまでいっても相手から連絡がくる場合は、
人の気持ちを考えられない人間です。もしくはそれに準ずるモラルの低さです。
そのような人間からの連絡は
無視
これが最適です。「そんなの元も子もないじゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、残念ながらこのようなモラルに欠如した人間が一定数存在するのはどの業界でも同じです。そもそも、断っているということを伝えても頑なに勧誘を続けてくるような人間は、将来的な成果を残せるとは考えずらいです。なので、あなたの気持ちを受け入れられない人間はそもそもの関係性を見直すべきでしょう。
5.ネットワークビジネスは違法なのか
勧誘された人たちは一般的に「ネットワークビジネス」と「ねずみ講」の違いを理解していないことが多いです。手っ取り早く一言で簡潔にまとめると、
ネットワークビジネス | ねずみ講 |
合法 | 違法 |
という構図になります。ただし、それは一般には違いがわかりずらいため、彼らは「ネットワークビジネスだから合法だよ」ということを伝えてきます。では、ネットワークビジネスは何故合法で、ねずみ講は違法なのかについて簡単に述べます。
ネットワークビジネス
ネットワークビジネスとは 通称「マルチレベルマーケティング」と呼ばれ、「MLM」という略称で扱われることもあります。MLMとは文字どおり、「Multi Level Marketing」の頭文字をそれぞれとったものです。
商品(サービス)が人的ネットワークによって流通し、連鎖していくことを「ネットワークビジネス」といいます。本来、商品(サービス)は「不特定多数」に提供されるものですが、それが「特定多数」による「紹介制度」によって企業のサービスが成り立っているため、ネットワークビジネスと呼ばれています。
法律では、特定商取引法という位置づけがされており、「販売において消費者と提供者側でトラブルになりやすい手法」のため、例外的に法律を設けて流通を起こしているビジネスです。
ねずみ講
ネットワークビジネスとは異なり、無限連鎖講という位置づけがされています。しかし、流通はネットワークビジネスと非常に形が似ているため、一般的にその違いを見分けることは難しいです。もちろん「法律で禁止」されているものです。
両者の違い
ネットワークビジネスとねずみ講の違いについて簡単にまとめると次のようになります。
ネットワークビジネス | ねずみ講 |
報酬発生が有限 | 報酬発生が無制限 |
商品・サービスが存在する | 商品・サービスが存在しない |
活動資格を獲得するのは無料 | 会員費用は有料 |
しかし、上記のような違いを一般的に確認したとしても、ほとんどの方は違いをよくわかっていない・もしくは勧誘している彼ら自身も正しく理解していない場合があるので、興味がないのにもかかわらず勧誘を受けた場合はひとまず断ることを優先してください。
6.もしも勧誘で登録してしまった場合
もしもあなたが勧誘されて、何かしらのネットワークビジネスで会員になったことを後悔している場合は、すぐに「クーリングオフ」という制度を利用することをおすすめします。
なお、もしも勧誘された人に「クーリングオフ」についての説明がなかった場合は、その行為自体に問題性があるため、支払った費用などを払い戻し・契約を解除できる場合があります。その場合は消費者庁へ問い合わせをし、内容をお問い合わせセンターへ伝えてください。
7.まとめ
今回は様々な相手の立ち場からの勧誘を想定してお伝えしたが、中にはもちろん、「あなたと本気で成功したい」と思っている方もいるうえに、全員が全員、モラルの品格もない人間ではない。
だがしかし、そうとはいえ「信用の切り売り」であることには間違いない。この手のビジネスをやりたい人にはこの内容は全く意義のないものだが、少なくとも筆者はそうやって多くの信頼や関係性を壊してしまったこともある。そして、相手を苦しませてしまったり、自分を追い込んだ経験もあり、ネットワークビジネスに嫌気がさした。嫌気というよりも、正気を保っていられなくなる。こんな苦しい思いをするのは自分だけで十分だなと思い、この記事をまとめた。こんな経験が少しでも、あなたの役に立てたのならば嬉しい限りである。
- 「あなたが成功したら教えて」が必殺文句
- 見知らぬ人の場合はSNSをチェック
- 相手側へ一筋でも希望になるような言葉は伝えない
- ネットワークビジネスは「被害者」を生み出しやすい
- ネットワークビジネスにおけるリテラシーを高める