gumiの上場ゴール事件の際には、
『また野村証券か…』という言葉も呟かれました。
ではそもそもIPOの主幹事ってなんでしょう?
上場ゴールをおさらい
上場ゴールというワードについてはこちらからおさらいしましょう。
おおよそ、
『上場時に高い株価をつけることのみを目標として、直前の財務諸表を調整すること』
と思っていただければけっこうです。
gumiは上場後の決算で大幅な下方修正をするなど、代表取締役国光氏の『時価総額8億円を目指す』という強気な発言も相まって大きな批判にさらされることとなりました。
主幹事の定義から勉強してみよう
主幹事(しゅかんじ)とは、株式等の売り出しにおける複数の幹事会社の代表のことを言う。
株式会社が株式や社債、転換社債などの有価証券の募集や売り出しをする際、会社に代わって証券会社がその業務を引き受けるが、その中心になる証券会社を「幹事証券」と呼ぶ。幹事証券が1社でなく複数ある時は、その代表を選び、この代表のことを「主幹事」という。
引き受け会社になるには資金力が必要であるため、証券取引法施行令で最低資本金が決められており、幹事証券は100億円以上の資本金が必要とされている。出典 wikipedia
こちらはwikiからの引用になりますが、
株式などの有価証券(株、債券などもろもろの総称です)の売り出しを引き受けるのが主幹事です。
gumiの場合ですと、
どのくらいの株価をつけるという目標を決めてそれに関して売り出しなど諸々を担当したのが野村証券ということですね。
それでは、その3つの役割についてもう少し詳しく見てみましょう。
1、公開準備指導
ざっくりと言うと、
株式公開に向けて会社の内部を適正化するということです。
予算に関して、株主構成、監査体制など問題がないかのチェックなど行います。
指導とつくように、問題を正す役割が大きいようです。
2、公開審査
主に業績の面での審査を行います。
株式公開に値する企業なのか、業績は安定しているのか、上場要件を満たすレベルにあるのか、という観点から審査を行います。
証券会社によって基準はもちろん異なりますので、
野村証券が問題とされた原因などはここにあるのかもしれません。
3、株式の引き受け・販売
IPOに際して株式の公募や、公開価格の決定、販売などを行います。
ここが証券会社の技量の見せどころで、力がないと価格も低くなりますし、目標の価格に届きません。
また、その際に上場企業が証券会社に支払う手数料はおおよそ7,8%となっており、
450億円程の金額が流れましたから、少なく見積もっても30億円は利益を得ていることでしょう。
この公募の際に、金額を上げれば上げるほど手数料を手にすることが出来ますから、
上場ゴールはVCや証券会社にとってこの上なく儲かる話なわけです。
まとめると
上場に関するほぼ全ての業務を引き受けるのが主幹事の仕事です。
その中でも特に大きな仕事が株式の引き受け及びは販売であり、最も利益の出る点となっています。
IPO企業はそこまで財務に詳しくない場合も多く、
gumiのケースのように、証券会社にとって利益の大きい形に持っていかれてしまうことも十分考えられます。