不動産は資産の象徴であり、高い価値を持ちますが、
その価値すら超える可能性をwebサイトは秘めています。そのカギはECにあるでしょう。
不動産の価値は集客力にあり
前回記事の通り、不動産の価値は主に集客力にあります。その立地により、人が訪れ経済活動を行うことができることこそが不動産を保有する上での最も大きな価値なわけです。
この集客力という言葉よく他のジャンルで聞きますよね?
そう、webの業界もまた集客力を1つの指標として重んじています。
webの集客力は立地を越える
webの集客力は今や立地によるものを上回るものとなっています。
一般に、スマホを見る時間は1日のうち、2~3時間です。人間が外出している時間はこれよりは当然多いですが、そのうち仕事を除いて、ウィンドウショッピングや外食などの時間を考えると1日あたり2時間もないでしょう。
接触する時間は不動産によるものを越えて、webサイトやアプリによるものの方が増えています。当然ながら、接触におけるロイヤリティ(店舗で買い物をする方がネットよりも時間あたりの消費額は大きくなります)が違うため、また目的自体も消費を基本的に目的とする店舗に対して、webはタダでネットサーフィンを楽しむなど幅広いこともあり、一概にwebが上回ったということは全くできないでしょう。
とはいえ、今後このスマホ時間はさらに増えることは間違いないでしょう。どんどんと人口の中でのwebネイティブ(生まれた時からインターネットがあった)が増えていくためにそれは言えます。
例えば、コンビニエンスストアの1店舗あたりの来客数は1日に1000人を少し超える程度です。最大手のセブンイレブンは1万7000店舗がありますから、単純計算で1700万の来客数があるということになります。
ヤフーは1日あたりの訪問者数が2700万人ですから、これを上回る数字になります。買物を目的とするamazonでは300万人と、コンビニの6分の1程度ですが、日用品を広く扱うようになったらもっと増えるのではないでしょうか。
ネットショッピングが秘める伸びしろ
ここまでwebがいかに集客ができているかについて触れましたが、実はいまだにEC(電子商取引、おおよそネットショッピングのこと)は国内の消費のうちの10%にも満ちません。買物の9割以上はリアルで行われているというのが現状です。これはアメリカをはじめとした海外よりもずっと低い数字です。
とはいえ、日本の技術はアメリカの10年後に来ると言われますから(webに関してはもっと短いでしょうが)、これから今のアメリカの水準に追いつくようになることでしょう。
事実、訪問者数だけならばヤフーがセブンイレブン以上の利用者数を抱えるように、人々が目に触れる時間はスマホの中の方が多いわけですからそれだけでも十分に可能性を秘めていると言えます。
ネットショッピングの普及により不動産化するwebサイト
そうなったときに、webサイトというのは不動産と同じ、もしくはそれ以上の力を発揮するようになります。事実現在では、webサイトのドメイン(URLなどの住所のような存在)が何千万という価格で取引をされています。webサイトには人が集まるため、それだけの価値があるという判断がなされています。
その価値というのは、これからどんどんと上がっていくことでしょう。それはECサイトなどの決済や買い物の最適化と運命を共にしています。もっと簡単にリアル以上に買物をするようになればwebサイトは不動産になり得ます。そのうち固定資産税にあたる税がサイトの保持に対してかかるようになるかもしれません。
現状では、残念ながら不動産以上の価値がwebサイトにつくというのはあまり想像ができません。実体がないゆえに流動的でGoogleのさじ加減ひとつでユーザーが激減する可能性もあります。物質的な価値に勝るのはまだ遠いのではないでしょうか。
しかし、そう遠くない未来、まるでドラえもんの世界のように家に居ながら機械が様々な未来を実現し、ネットで物を買ったら10分後には届くようにでもなればwebサイトの価値は不動産を上回るのではないでしょうか。