必要な人材は180°変わったことに社会は気付いていない


行動経済成長期から50年以上…
世の中は非常に大きく変わった。にもかかわらず仕事のあり方、特に人材のあり方は変わっていないのが現状である。

世の中は変わった

当然の話ではあるが、世の中は21世紀になったのを境に変わっている。
単純な世の中からより複雑な世の中になったのである。

それはどういうことかというと、今現状で日本人はもうこれ以上求めるものはないのである。戦後では家電すら価格が高く庶民には手が届かないこともあった。様々なものがなかなか手に入らない時代だったのである。それが今はどうだろうか?おおよそのものは手に入る。生活に必要だと思われるもので手に入らないものはおおよそないだろう。答えのあるものはもう全て手に入っているのである。

これが今の時代の流れを表す1つの大きな要素であることは間違いない。

正解のない時代に入った

juken
出典 https://newspicks.com/

上記の図を見れば分かるように成熟した社会で求められるものは違う。答えのないものを追い求める能力が必要とされているのである。今の時代で何を作れば売れるか、どんなサービスならヒットするかを予測するのは非常に難しい。恵まれた人間の価値観は非常に多様化するからである。

高度経済成長期中では非常に分かりやすかった。テレビはより小型化すれば売れたし、単純に液晶の綺麗さなど高性能にすればものが売れた時代である。人々はまだ恵まれていない時代であったから今までより安いものがあれば飛びつくし、どんどん製品も性能がよくなっていった。しかしながらこれ以上家電などは進化の余地がない。これ以上はなかなか伸び代のない時代に入ったと言えるだろう。

人材も時代に合わせて変わらなければならない

残念ながらそうした時代の変化に最も対応できていないのが教育を中心とする人材の業界であろう。もちろん教育だけでなく、新卒採用の市場でも今までと同じような基準で学生を採用するなど対応がまだできていない。

上記の受験サプリに関する記事もであるように、今までは一様な形での教育でいわば「知的単純労働者」を育成することで社会は非常にうまく回っていた。単純な仕事をしていても利益は出るしものは売れるのだから当たり前だ。しかし今はそうではない。単純なことをしていたら消費者は買わない。恵まれて舌の肥えた消費者は普通の商品やサービスには目を向けない。

知識を応用する能力こそが最も必要とされており、それを身に付けない限りは世の中で通用することは無いだろう。公認会計士や弁護士などの資格を持った知的労働者と呼ばれる層が軒並み所得を落としているのもこの象徴と言えるだろう。ただ単純に難しい資格をとるだけでは世の中に必要とされないのである。
安定という言葉はある意味最も当てはまらない時代になったのかもしれない。

今の時代に求められること

今の時代に求められること。
それは、正解がないことを受け入れることなのではないだろうか。
未だに今の時代に『いい大学に入れば正解』という考えを持ったままの人間もいる。大企業ならば正しい、優れているという考えを持ったままの人間もいる。『何をすればいいのか』という正解を求める学生も多く存在する。

絶対的な正解はない、多様な価値観を楽しむことでしか今の時代は生き残ることはできないと思われる。より起業家精神(つまりはゼロから新しいものを創ること)は求められることだろう。
”言われたらできます”という人間は必要ないのだ。